次回の上映会は11月16日(土)。市岡康子さんを迎えて『クラ――西太平洋の遠洋航海者たち』と『女の島 トロブリアンド』の二本立てです

『馬ありて』あらすじ

6月1日(土)、午後2時より地平線キネマ倶楽部第3回上映会として、『馬ありて』を上映します。会場は新宿歴史博物館。(詳しくはこちらの「お知らせ」から

監督の笹谷遼平さんから、劇場公開時に配布した「公式パンフレット」のデータをいただきました。以下は、その巻頭に置かれた〈あらすじ〉です。


 マイナス25度。全てが凍る北海道の大地に鼓動を打ち鳴らし、しっかりと根を下ろしたばんえい競馬は、笹谷監督にとってこれまでに経験のない魅惑的な世界だった。しかしながら、大自然の中に立つ偉大な馬が、日本において約1800年も続いてきた人間との濃密な関係の中ではなく、経済動物、商品としての意味合いのみをもって売り買いされている光景から、馬と人間の営みの本質とは何だったのかと考えるようになる。

 その手掛かりを、彼は日本の原風景とも言うべき岩手県遠野の馬搬(切り出され木を馬で運ぶ仕事)に見出そうとする。そこでは、馬にまつわるオシラサマの伝説、信仰を今に伝え、豊年を祈願する馬と人間の祭りが連綿と続いていた。

 近代化の激しい波に押しやられ、生命との関係が粗末になった現代社会において「馬」は、我々に何を問うのか? この映画は声高に多くを語ることなく、北海道の大自然と遠野の山あいで、馬と人間たちが織り成す生命の営みをモノクロの世界で静かに提示する。

公式パンフレットより

この記事を書いた人

地平線キネマ倶楽部事務局。デジタルエディター。北部パキスタン文化研究者

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