■安東 浩正 ANDO Hiromasa 3 | |||||||||||||
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05…1995年12月 西チベットマナサロワール湖の辺り、チューゴンパにて
【旅人を見守る道祖神】……チベットでは道脇の至る所にチベット仏教の経典の彫られた聖なる石の積まれた塚がある。それは道祖神として道行く旅人を守っているという。チベットの人々にとって仏教は生活そのもの。その言葉はオンマニペミフーンと刻まれており、仏の教えがすべて凝縮された聖なる呪文であるという。その経文が朝日の中で黄金色に輝き出す時、それは道行く旅人に仏の心を伝えようと優しく呼びかけているかのようだ。 |
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06…1995年12月 西チベット カイラス南ルート サガの付近にて
【ヒマーラヤをゆく道】……このヒマーラヤの荒野をゆく道には行き止まりがないという。酸素の薄い中での登り坂、粘土状の泥の道や粒子状の砂の道、石の道、雪の道、氷の道、そんな時、自転車は降りて押してもままならなかったりする。おまけにいったん向かい風が吹き始めると小石が飛んでくるぐらいチベットの風は徹底的だ。およそサイクリングをする以上、考えうるありとあらゆる困難をもってしてチベットの道はぼくの前に立ちはだかる。その代わり景色はすばらしい。彼方にヒマーラヤの氷の宝石が広がっている。ある本ではチベットの道についてこう述べてある。“世界でもっとも高度があり、そしてもっともひどい道で、しかももっとも危険で、おまけにもっとも美しい道である”と。 |
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07…1995年12月 西チベット マユムラ峠付近にて
【残照のサイクリスト】……チベットでの夕暮れは、すさまじいほどの光のページェントをかもしだす。紺碧だった空は、夕陽に真紅に焼け落ちたあと、しだいに紫色へ、うす青色を経て、灰色になり、そして真空の黒へとその彩色を変化させてゆく。チベットではそんな荘厳なドラマが毎日繰り返される。その瞬間は一日でもっとも美しい一刻であるが、同時に気温が激減する苛酷な瞬間でもある。極限の寒さの中で音すらも凍り付いているかのようだ。静かすぎてムネが締め付けられる思い、心臓がはちきれそうだ。 |
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08…1995年12月 中央チベット シシャパンマ峰の麓、パイク湖にて
聖なる湖 |
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09…1995年12月/中央チベット ヤールシュンラ峠 より
ヒマーラヤを越える道 |
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10…1995年2月/中央チベット チョモランマ街道ツァー村にて
チベットのお坊さん一家 |
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