■新井 由己 ARAI Yoshimi 2

●角館のオニオウ様(1995年5月4日)
 秋田県仙北郡角館町下中川原の集落で、オニオウ様作りを見せてもらった。関東から東北地方にかけて、町境に大きなわら人形が立てられている。カシマ様やショウキ様などとも呼ばれ、悪い病気が村に入らないように奉られたのが始まり。下中川原では江戸時代から伝わる方法でオニオウ様を作り続けている。
 以前は集落の辻の両側に立てていたが、明治6年に道端に物を置かないように通達され、集落内の神社に移動した。このときに、オニオウ様を作ることをやめてしまった集落が多いという。

spicelogo

Jump to

the
Annex

02-01…1995年5月4日/秋田県仙北郡角館町下中川原

去年のオニオウ様の立つ社の前で、オニオウ様作りが始まった。頭や足などの各部分を作る人が決まっていて、それぞれが材料となるわらを持ち寄ってくる。田植えの前と稲刈りの後の年2回作り替えられ、これは春の模様。


 

Jump to

the
Collection
写真展
地平線発

Jump to

the
Entrance
Hall

02-02…1995年5月4日/秋田県仙北郡角館町下中川原

オニオウ様が持つ刀の鞘の部分を作っている様子。一直線のわらを複雑にからませながら、鞘の造形を作っていく。その手際のよさは、まさに職人芸といえる。


Back to

Thumb
Nails

02-03…1995年5月4日/秋田県仙北郡角館町下中川原

作り替えられたオニオウ様の姿。髪の毛が茶色から緑に戻り、風雪でなくなってしまった袖や刀、痛んだ胴なども新しくなった。オニオウ様が完成すると、人々は静かに手を合わせて、今年の豊作を祈った。

Jump to

Previous
Next