地平線押賣新聞・号外(オンライン版)


(1)第21版 押 賣 新 聞 (号外)   1996年4月1日 月曜日


96年4月1日、NIFTY-Serveで活動している「地平線HARAPPA」に突如として伝説の「押賣新聞」がよみがえりました。




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●●朝毎読経などのメジャー各紙がこぞって紙面刷新をはかった4月1日、あの伝説の「押賣新聞」が発行されたという情報をひそかにゲットし、サーバーに送り込まれる前の原稿を横取りしましたので、以下、おもな記事を紹介しちゃいます。ただし、万年赤字の同紙の売れ行きに影響を与えるとかわいそうなので(^^;、ここ以外には転載しないでくださいね。




神谷氏、チャーター機で英国へ出発
年報売り上げへの貢献で、地平線会議が大盤振舞

 4月1日、いよいよ神谷夏実氏が3年間の予定でイギリスに赴任する。いくら宮仕えの身とはいえ、IRAのテロが再開し、狂牛病への恐怖で社会が恐慌状態にあるこの時期に、1歳になったばかりの娘を連れていくのはなんともお気の毒だ。そこで、世界にネットワークをもつ地平線会議がジェット機をチャーターして、英国へと神谷ファミリーを送り届けることになった。

 神谷氏といえば、ケイビング仲間に強制的に買わせたり、ICI石井スポーツやかもしかスポーツの店頭で目につくように工夫したりして、年報『地平線から』の販売に孤軍奮闘したことで知られている。このほど地平線の口座に大枚50万円余が振り込まれたのも、250余冊をひとりで売り上げた神谷氏による入金と見られている。今回のチャーター機提供は、この類まれな功績に、地平線会議として見事に応えたものと言えよう。

 機体は、いちおう英国へ敬意を表して、ブリティッシュエアロスペース社の名機、BAe146を使用することになった模様。80人乗りの小さなコミューター機だが、ロールスロイス製のエンジンをはじめ、信頼性はきわめて高い。また主翼が胴体の上についているため、どの席からも見晴らしがいいので、家族連れの旅には最適だろう。滑走距離が500mと短く、通常のジェット機が降りられない空港にも着陸できるため、フィリピンのサマール島をはじめ、神谷氏お好みのアジア各地に簡単に寄り道できる。

 そのため識者の一部には、英国到着は3年後の4月1日になるのではないかという観測もなされている。




通称“松田御殿”から、黄金の靴が出土
鑑定では桃山末期の作。時価500億円?

 3月31日の早朝、地平線会議きってのスピードランナーとして知られる松田仁志氏の自宅にある家庭菜園から、桃山時代末期のものと見られる42.195kgの巨大な黄金の塊が出土した。形状は誰が見ても靴で、上部にハトメの穴が開き、靴紐が通せるようになっている。どうしてこの時代にジョギングシューズに酷似した靴が履かれたのかは大きな謎だが、日本人の奥底にひそむ「走ること」への願望を具現化した貴重な作品と言えよう。大山大学の三輪主彦教授(地質学)が付着していた靴紐の残骸と見られる炭化した物質を鑑定したところ、桃山時代末期との結果が出た。

 専門家のあいだでは時価500億円は下らないだろうと噂されていることもあり、松田氏の住む枚方市黄金野の周辺は、にわか成り金をめざす人たちが押し寄せ、無断であちこちを掘りまくるなど、ゴールドラッシュの様相を呈している。この騒ぎから逃れるために、松田氏は急遽カラコルムとスイスアルプスの登山に出発したが、あまりにあわててしまったため、古いぼろぼろの靴をもって出かけてしまったようだ。今後はマラソン大会などに出るたびに、松田氏の足元に注目が集まることだろう。




江本家でふるまわれた羊肉で、第二狂羊病?
脳がふにゃふにゃになって、犬好きに

 英国の狂牛病はそもそもヒツジの病気がウシに感染したものと言われるが、江本嘉伸氏の家に集まる地平線のメンバーのあいだで、自分が新たな狂羊病にかかったのではないかという不安が広がっている。江本氏はひそかにモンゴルから干した生のヒツジの肉を運びこむことで知られているが、ときどき冷凍庫の奥から大事に取り出されて振る舞われるこの珍しい肉に、未知のウィルスが混入していたらしい。

 患者の証言では、このウィルスに感染すると、脳がふにゃふにゃになって、突然犬好きになってしまうという。なぜ犬に好意をいだくようになるかについては諸説あるが、モンゴルの草原で牧童犬に守られてのんびりと気ままに暮らすヒツジの性癖が、大脳皮質に知らず知らずのうちに刷り込まれてしまうのではないかという見解が有力である。

 いまのところ有効な治療法はなく、とくに、犬と一緒に暮らしたいという欲求をあまりに押さえつけると、ストレスのあまり、日常生活に大きな支障をきたすことがあるので、注意が必要だ。




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酒田市に個人映画館が開設
リアルとバーチャルを同時体験

 山形の酒田市に住む飯野昭司氏が、ついに永年の夢をかなえて、酒田駅前の一等地に、映画館「YUKI-GOZA」を開設した。山形国際ドキュメンタリー映画祭で世界的に知られる山形市には個性的な映画館がいくつかあるが、独立系の映画館としては酒田市では初めて。上映されるのは、ドキュメンタリー、フィクションを問わず、内外のまったく無名の監督による作品にかぎられる予定で、メジャーはもちろん、岩波ホールやシネヴィアン、ユーロスペースなどの他館で一度でも上映された作品は、意地でもかけないという、飯野氏ならではのこだわりを見せている。

 外観は一見すると昔の名画座風で、内装も場末の映画館のように見え、椅子も硬くてトイレの臭いが漂ってくるような気にさせられるが、スイッチひとつでするすると音響効果の高い第二の壁が降りてきて、照明も変わり、雰囲気が一変する。椅子の座面や背もたれの内部にはじつはエアバッグが隠されていて、クッション性も向上。しかもサウンドに合わせて圧縮空気を断続的に送り込むことで、ボディソニック効果まで得られる。このときの天井はドーム型に持ち上がり、プラネタリウムとしても使用可能。さらに、晴天時には屋根が開いて、天然の星空を楽しむこともできる。

 「作品のテーマや客層に合わせて、瞬時に雰囲気が変えられるのが魅力です」と飯野氏は胸を張るが、ランニングコストがかなりかかるのが悩みだという。酒田市民に前衛的な作品がどこまで迎えられるかが、鍵といえよう。




新井由己氏、再びタクシードライバーに
青梅近郊でジムニーによる白タクを開始?

 新井由己氏と言えば、旅と引っ越しのための資金稼ぎで、2年間東京でタクシードライバーを続けていたことで知られているが、健康をひどく損なったこともあって、最近は青梅で悠々自適の引退生活に入っていると見られていた。氏のホームページで読む「タクシードライバー日記」(Driving Cab)を読んでも、もうあの業界に戻ることはあるまいと、誰もが判断したものだ。

 ところが最近、青梅市近郊で、ジムニーを使った白タクが営業しているとの噂を耳にするようになった。サービスとして、信号待ちの折りに助手席に置いたギター(マーティンのバックパッカー)をかき鳴らしたり、客が金を払うたびにポケットからデジタルカメラを取り出して記念写真を撮るというから、この白タクの主が新井氏である可能性はひじょうに高い。さらに、青梅ではまだ珍しいグレ電を見つけるとクルマを止め、客の迷惑も顧みずにNIFTY-Serveのオアシス関係のフォーラムへの書き込みを始めてしまうそうだ。カードマンのバイトの残業が多くて……と言い訳しているが、最近HARAPPAへの書き込みがめっきり減っていたのは、やはりかつてのタクシー稼業に舞い戻って、そちらで忙しいせいに違いない。

 青梅名物の梅がそろそろ終わり、桜の時期になる。白タクにとって、厳しい冬の季節が到来する。四駆ならではの機動力を生かして、ハイキング客の獲得に成功しなければ、ただただガソリン代が消えていくだけになる可能性も高く、地平線関係者は新井氏の懐状態に対して気をもんでいる。




岡山理科大の北川研究室に謎の新入生
かつての同僚にとまどう“先生”が与えるテーマ

 岡山理科大学応用数学科の北川研究室に、この4月1日から、都立K高校で地学と物理を教えている三輪主彦教諭が入学することになった。三輪氏はここでUNIXの基礎とインターネットの先端技術、さらに画像処理などを1年間にわたって特訓することになる。

 この歳になって、しかもまったくのコンピュータの素人でUNIXをひととおりマスターしようという三輪氏のチャレンジ精神には、地平線関係者のあいでで称賛の声とため息が渦巻いているが、痛めた足も走りながら治してしまう不屈の闘志の持ち主だけに、必ずや高度な知識を身につけて帰ってくるに違いない。地平線雀たちは、走力だけでなく、コンピュータの面でも、宿命のライバル江本氏に決定的な差をつけるためだろうと、三輪氏の真意を推測している。

 研究室を主宰する北川文夫博士は、以前つくば大学の大学院に社会人留学で入学してきた三輪氏と同僚だったことがある、データベースとネットワークの専門家。自分より10歳以上年長の「かつての同僚」を、これからどう学生として扱ったらいいか、とまどい気味だ。デキが悪ければ、もちろん留年もさせなければならない。

 とりあえずは、最近入手した神戸と六甲の地図を三輪氏に与えて、地図上の表現をいかにコンピュータに読み込ませ、そこから登路や時間を自動的に割り出したりするシステムを作らせてみるつもりだという。夏にひかえる松田仁志氏との六甲での一騎打ちにそなえて、三輪氏がこのテーマにのめりこむことは間違いないだろう。




これで夏の電子出版もただでしのげる?
フロッピー屋さんができるほどの量が丸山家に

 かつてのマイナーな名機、FM-16βの元ユーザーで、現在はPowerMac800をだましだまして使っている丸山純氏が、念願のフロッピーディスクの整理を敢行し、棚などに乱雑に散らばっていた200枚を越える3.5インチフロッピーディスクが、なんとか1つの段ボール箱に納まった。

 91年の初頭、マックへの転向とFM-16βのくたばりが重なったため、ワープロソフトやデータベースソフト固有のデータ形式になっていた5インチのディスクを、あわてて3.5インチにコンバートしたが、その後の仕事に追われて、貴重なデータもそのまま眠っていた。これを、半分くたばっている初代FMR-NOTEを引っ張り出してなんとか昔のソフトを動かし、ひどいインターフェースに悩まされながらも、ひとつひとつテキストに変換。マックに読みこんだ。

 すでに押し入れのなかには、マックの旧システムや旧プログラムなどの入ったフロッピーが300枚以上ある。これらと合わせれば、フロッピー屋さんを開くのも夢ではない。とりあえずは、夏に出版する『DAS』の電子版を入れる器がただで用意できたことになり、元手なしで簡単に電子本を作れる見通しもたったわけだ。今後の展開に期待したい。




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長野画伯、ついにペンや筆を捨てる?
マウスとタブレットに持ち替え、今後はデジタル1本で

 地平線イラストレーターとして知られる長野亮之介氏が、ついに最近のデジタル化の波に勝てずに、ペンや筆を捨てて、全面的にマックに移行することになった。使用するマシンは、Daystar社に特注した、PowerPC604チップを6枚搭載したハイエンドモデル。Coplandの次のOSとして開発が続けられているGershwinのα版を入手して、マルチタスク環境を実現する。モニターも、ソニーに特注したハイビジョン対応の次期トリニトロン管が届く予定で、ワコムからはすでにA2サイズの特大タブレットも到着している。128Kの専用線もまもなくiijから引かれるとか。まったくうらやましいかぎりである。地平線通信のフルデジタル化も、近い。

 ただし、長野氏が唯一使いこなせるソフトは、かの有名な「Mac書道」と「キッドピクス」だけだそうだ。視察に訪れたDaystar関係者は、あり余るマシンパワーの前でしこしこマウスで墨をすり、スタンプツールを使う画伯の姿を見て、力なく肩を落としていた。




熊本で、デジタルカメラによる写真展開催
川辺川の姿を96台のモニターで展示

 「週刊金曜日」の講演会が大成功し、川辺川を守る運動がいちだんと盛り上がっている熊本市で、4月1日から、デジタルカメラを使った写真展が開かれている。撮影者は、地平線会議・熊本のメンバーで、まっくおてもやんクラブ元会長をつとめた川本正道氏。昨年1年間、デジタルカメラのQV-10を使って、四季おりおりの川辺川の表情を96枚の写真に収めてきた。

 今回の写真展では、QV-10を96台ずらりと並べて、付属する液晶画面で、この96枚の写真を1点ずつ見てもらおうという趣向がユニーク。カメラを手にとって、自分で隣りのコマを見たりもできる。「1.8インチのちっぽけな窓から覗く、デジタルならではの派手で解像度の低い画像をとおして、メンツだけからムダなダムにこだわり続ける建設省の愚行をイメージしてほしいんです」と川本氏は語っている。




地平線ホームページに謎の隠しページか?
10MBの壁もなんのその

 昨年10月半ばに開設された当初は、ひとりでやったにしてはまずまずのデキと評判を呼んだ地平線ホームページだが、その後はただ最初の路線に拘泥していて、世界のWebの現状から大きく取り残されてしまった感がある。デザインも大慌てで作ったという印象がまぬがれないし、なによりもインターネット特有のノリに欠けていて、読む気が起こらない。

 ところが、一部の読者からのメールで、謎の隠しページに入ってしまったという報告が相次いでいる。なんとそこには、○○○もあるし、××××もあったという。そしてなんといっても、△△△△と▽▽▽▽がゲットできる! しかも、%#&¢£$☆§※◎がたまらないそうだ。

 さあ、キミもあちこちクリックしてまわろう! なにか情報を発見した方は、本紙までぜひご連絡を。




【→押賣新聞92年11月19日号・第1面へ】
【→押賣新聞92年11月19日号・第33面へ】
【→嘲覗新聞93年2月10日号・第1面へ】
【→押賣新聞93年2月10日号・第33面へ】



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