97年7月の地平線報告会レポート



7月の報告会から
「山伏ワールドの冒険」
渡辺まちこ
1997.07.25(金)/アジア会館

◆今回のテーマになった山伏とは、いったい何ぞやと思い、報告会から帰って広辞苑を引いてみた。

◆山伏。〈1〉山野に野宿すること。世を逃れて山中に住むこと。〈2〉仏道修行のために山野に起臥する僧。野武士。〈3〉修験者の別称。とある。

◆しからば修験者とは何をする人物かと思い引くと、修験道の修行者。多く被髪で兜巾(ときん)戴き、篠懸(すずかけ)及び結袈裟(ゆいげさ)を着け、笈を背負い金剛杖をつき、法螺(ほら)をならし、山野をめぐり歩いて修行する。とあった。

◆そうか、あのコスチュームは、兜巾、篠懸、結袈裟、笈、金剛杖、法螺というのかと思い、今度は兜巾がよく分からずに引いてみたら、山中遍歴のときの瘴気(しょうき)防止で、黒色布製で十二因縁形の小型帽子(以上要約)とのことである。

◆何だ、また分からぬことばがでてきたかと、瘴気、十二因縁と引いているうちに1時間が過ぎた。なにやら新しい語学を始めたような気分である。

◆今回の報告会はいつもと違う雰囲気に陥った。般若心教の合唱とは、ありがたいような、ありがたくないような、実に妙な気分である。もし初めての参加者を連れてきた人は、しっかりその点をフォローしておいてください。

◆その中で特に印象に残るものを挙げたいのが、師弟問答である。

◆生徒問「人間衣食住が満たされれば事足りるのに、それでも悟りを求めようとするのは欲ではないか」先生答「悟り求めようとする心あらば悟り遠し。悟り懸命に求むればなお遠し。悟り得るべくなおも求むる心あらば生涯これ成らず」

◆座右の銘にしたくなるようなありがたいおことばだが、地平線会議に悟りほど縁遠いものもなさそうである。一般社会のアウトロー集団地平線会議として期待したいのは、やはりここは破戒僧の登場だろう。渡辺さん、待ってます。次回の報告会、辻説法マホメットの生涯。[のぐちやすお]




to Home to Hokokukai
Jump to Home
Top of this Section