今月の地平線報告会

2001年1130日(金)

1979年9月の第1回から数えて、今回が通算265回目の
地平線報告会となります。



今月の報告会は、30日の金曜日。和光大学非常勤講師で、パキスタン南西部のバローチスタン地方の研究者として知られる村山和之さんに登場していただきます。これで3回連続パキスタンじゃないか、と思われる方も多いことでしょう。はい、これは、この時期にこの地域から目を離したくないという、江本さんの強い意向からです(^^;。

いまイスラームというと、どうしてもタリバン流(ワッハーブ派)の厳格な戒律をイメージしてしまいがちですが、じつは民俗宗教を取り込んだ聖者崇拝があったり、音楽で陶酔に至って神との合一をめざす神秘主義の一派があったりと、本拠地のアラブ世界から離れるにつれてさまざまなスタイルに変化していき、豊かな文化が花開いています。

そんなイスラームの別の顔を知っていただきたくて、今回、村山さんに報告者になっていただきました。以下は、長野画伯による今月の地平線通信の案内文。私も取材に立ち会いましたが、うまく今回の報告会の趣旨をまとめてくれています。

映像・写真・音を使った楽しい会が期待できそうです。もちろん、ほかの報告会ではとうていしゃべれないような、村山さん自身の旅の軌跡も語ってもらう予定。どうぞお楽しみに!


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 遥かなるブラーフィの調べ
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村山和之さん(37)がはじめてその歌を聴いたのは、日本のTV番組でした。イスラム神秘主義といわれるスーフィーの祭りで紹介された「ラール・メーリー・パトゥ」。60年代に全インドで大流行した曲です。そのにぎやかで魅力的な音楽の源が、パキスタン南西部のバローチスタン地方。叙事詩に魅かれてインド通いをしていた村山さんの耳は、このインダス河西部の地域に向かいました。

89年、バローチスタンの中心地、クエッタ訪問。ここで出会ったのがブラーフィ民族です。パキスタン独立(1947)以前はカラート王国を築いていた遊牧の民。彼等の男気と、豊かな音楽性に惚れた村山さんは、彼等の民謡曲からブラーフィの世界観を探ることをテーマに、フィールドワークを続けています。

クエッタ留学中(92〜95)は、民謡のカセットを聞きまくる「夢のような時間を過ごしました」という村山さんに、イスラム世界の多様な側面を語って頂きます!(※村山さんは現在和光大学非常勤講師)


会 場アジア会館(東京都港区赤坂8-10-32/03-3402-6111)
時 間:午後6時半〜9時
会場費:500円

地平線報告会は、どなたでも参加していただけるオープンな場です。
テレビをはじめとする二次的な情報では決して味わえない、
世界を旅してきた報告者の「生の声」を直接聞くために、
1979年9月から毎月欠かさず、第4週の火曜か金曜に、東京の南青山にある
アジア会館(地平線銀座線・半蔵門線・青山一丁目下車)で開催されています。
どうぞ気軽に参加してみてください。



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