2008年11月の地平線通信

美ら島からの便り

浜比嘉の自然を大事にし、神々の島として伝統を守っていきたい

■江本様 こんにちは。「ちへいせん・あしびなー(地平線会議 in 浜比嘉島)」を無事終えて2週間になりました。地平線会議のメンバー、比嘉区の皆さん、比嘉小学校の児童、浜中学校の学生そして先生方、沖縄国際大学の学生、「肝高の阿麻和利」のメンバー、その他多くの人達の協力によって、すばらしい3日間でした。1か月に及ぶ写真展、皆さんの体験話に大変感動いたしました。子供たちにとってもこれからの成長に大きな影響を与えるものと思います。私は比嘉区のこれからの街づくりに活かしていきたいと考えています。

◆浜比嘉島の自然を大事にし、将来皆さんが訪れたときに、よかったと言える島、区民が住んでよかったと誇れる島、神々の島として伝統を守っていきたいと思います。地平線会議の皆さんのより一層のご活躍を期待いたします。本当に有難うございました。来年の11月末頃に12年に1度のお祭りが予定されていますので、浜比嘉島へめんそーれ(いらっしゃい)。江本さんも忙しいでしょうが無理のないよう頑張ってください。(比嘉区長 平識勇

命のアンテナを磨く━━「あしびなー 」の余韻、今も

■「ちへいせん・あしびなー 」の余韻がいまだに浜比嘉島を包んでいる。身近なところで私のテーブルの上には「地平線カレンダー2009 沖縄海風舞島楽覧記」がある。浜比嘉島の原風景が描かれ、見る人を惹きつけて離さない。絵を描いた長野亮之介さんは運動会に向けて子ども達がパーランクーを練習している頃から学校に時々顔を見せた。実行委員長とはいえ、よっぽど浜比嘉島が好きなんだと正直思っていた。その謎が解けた思いである。

◆それからオークションでゲットさせてもらった品々。山田高司さんの遊牧民マサイの老人からもらったという赤い布、ケニヤのラム島のダウ船の船乗りからもらったという腰巻き用の青い布、長江源流の水、向後紀代美さんのタクラマカン砂漠の砂など、どれも貴重なものばかりで、子どもたちに本物に触れる機会を与えたいと考えている。

◆かりゆしウェアがよく似合うようになった江本嘉伸さん。本の寄贈本当にありがとうございます。浜区にある海人という食堂兼居酒屋で平識区長、外間夫妻を交えて「これも何かの縁なんでしょう」などど飲み交わす内に本を贈呈する話しに発展。1週間後早速段ボールに詰め込まれた本が送られてきたのにはびっくりした。次の世代を担う子どもたちへの熱い思いを語る江本さんの人間的な魅力に触れることの出来た時間でもあった。

◆小さな島に住む子ども達に大きな夢、誇り、自信を持たせたいというのが日頃からの私の思いである。「ちへいせん・あしびなー 」はその思いを後押ししてくれ、子ども達に大きな感動を与えてくれた。あらためて心から感謝したい。山田高司さんの講演「青い地球の川をカヌーで旅して木を植えて」は、映像をもとに世界の今を紹介し、子どもたちの視野を大きくしてくれた。危険と隣り合わせの冒険家の体験談は説得力があり、命のアンテナを磨いて欲しいというメッセージは子ども達一人一人にしっかり伝わっただろうと思う。

◆丸山純さんのデジカメ教室は子ども達の持つ可能性、感性のすばらしさをあらためて実感させてくれた。カメラ小僧が島の至る所に出没し、ひたすらシャッターチャンスを求めて動き回る姿を想像するだけで心がワクワクした。講演会の後、それぞれの写真を紹介する子どもたちからは間違いなくが自信が感じられた。

◆シルミチュー公園でパーランクーを披露させてもらった。子どもたちに浜比嘉島への誇りを育てたいと願い、地域の力を借りながら運動会の目玉に仕上げたものであった。それは南島詩人平田大一さんの講演内容にも通じるものがありその取組の重要性を一層感じた。地球規模の視野を持ち足下の歴史・文化の価値を見直し継承していくこと。これからの子どもたちに期待したい資質である。

◆その道の達人による貴重な報告は多くの示唆を与えた。「ちへいせん・あしびなー 」がここ浜比嘉で開催された意義は大きい。みなさん ありがとうございました(にふぇーでーびる)。また会いましょう。(比嘉小学校校長 下地邦敏

いつでもまっちょんどー! 私は昇とヤギたちとずうっとここに…

■はいさい、昨日そぼ降る雨の日、3頭のメスヤギが次々に出産! 一気に子ヤギが4頭増えて全部でうちのヤギは23頭になりました! ますますにぎやかな『ちゅら海ファーム』です。いやいや〜それにしても地平線あしびなー、夢のように過ぎていった3日間でした。二十代から関わらせていただいた地平線会議のみなさんをこの浜比嘉島に招くことができて、本当に嬉しく思います。

◆そして何よりも地平線の懐かしい顔が見れて嬉しかった! しげさんや賀曽利さん、白根さんや山田高司さん、三輪さん、向後さんなどなどすごい顔ぶれに会えてよかったです。また今回初めてお会いした、岸本実千代さんや中島ねこさんはじめ皆さん、短い期間でしたが、私たちが暮らす島を知っていただけましたか? すごーくすてきなところでしょう?

◆本当は牧場で一緒にヤギを連れて山を歩いたり、無人島までカヤック漕いで渡ったり浜辺で三線弾いて踊ったり唄ったりおじいおばあとゆったりお茶飲みながらゆんたくしたり、と普段私達が過ごすように島で過ごしてほしかったのですが……時間がなく残念でした。今度ゆっくり来てくださいね。あと私がまだ島にきて浅いということもあり、島の人に「地平線会議とは何者か」という説明がしきれなくて、こちら側からの実行委員会を作れなかったことが悔やまれます。「島での開催の意義」がよく伝わらなかった。

◆でも少なくとも島の子供たちの心に何かが残れば成功だったんだと思います。私が高校生の時に植村直己さんが講演に来て、シロクマに襲われた話とかをしてくれたのを覚えていますが、島の子供たちにとっても山田さんの話が大人になっても心に残っているだろうと私は思います。今後も地平線の旅人たちが旅の途中に立ち寄ってくれたらうれしいです。おかまいはできませんが、朝は毎日火を起こして少し多めにコーヒーを入れてますから。私は昇とヤギたちと一緒にずうっとここに暮らすつもりです。のんびりと、いつも笑って過ごすつもりです。時々様子を見に来てやって下さいませ。いつでもまっちょんどー!(牧場仕事、草刈り仕事の手伝い、いつでも歓迎)

★浜比嘉の行事情報★
元旦(旧暦1月1日)
ハーリー祭(6月下旬〜7月)
豊年祭(旧暦6月24日)
ウークイ(旧暦8月15日)

 また来年は12年に一度の祭、うーあしびがあります。たぶん11月です。(外間晴美

あしびなー、よく晴れたよねー。よかったさぁー

■地平線あしびなー、よく晴れたよねー。よかったさぁー。だって次の週末もその次の週末も雨模様。みんなの日頃のおこないがいいんだねえ〜。またおいでねー。(外間昇

■なんだか合宿みたいで楽しかったです。(ひたすらヤギ汁番をしていた、三宮健

子供たち、学生たちにとって良き刺激の場でした

■今回は、特に子供達にとても良い機会でした。世界を歩いてきた旅人達の生の声や貴重な写真に直に接することが出来たのは、視野を広げるための大きなきっかけになったのでは。また、デジタルカメラ教室では、自分の感性で記録をし、表現をする得難い経験をしたと思います。沖縄国際大学の大学生達も、浜比嘉で調査研究したことの良い発表の機会を頂けた上、地平線会議からも大いに刺激を受けたことと思います。(談)(うるま市立海の文化資料館 前田一舟)

琉球の船を世界に走らせようではないか!

■浜比嘉島の海で生まれたつながりが、世界の海へとつながっていく。「人」とのつながりが心地よかった集いに、参加できた喜びを伝えたくてこのメッセージを贈ります。「視点は郷土、なれど視野は世界」を生きる南島詩人「平田大一」として、生きてきた40年。つくづく、人は「旅人」なんだなと、実感します。島から島へ、そして今は「勝連」にて「島人」をやっています。そこで、出会った子ども達から請われ始めた「演出家」のシゴトが、今の僕の「生業」、他人からは「教育者」とも呼ばれますが、僕自身は根っからの「島おこし人」を自負しています。

◆10年前、その子どもたちと作り上げ、つないで来た舞台が、今年、夢のハワイに渡ります。「琉球の船を、世界中に走らせてみようではないか!」という、物語の中のセリフをいよいよ現実にするのです。今回、地平線会議で行われた「オークション」にて集まったお金を、その渡航費用の一部にあててほしいと支援をいただきました。本当に、ありがとうございました。

◆子ども達を支える団体「あまわり浪漫の会」の名前にある「浪漫」とは、「夢と冒険に満ち溢れた物語」という意味。「夢」を見ることも、「冒険」することも難しい現代だからこそ、ハワイ公演の実現が「あまわり浪漫」であり、支援してくれた「地平線会議」も、その「浪漫」を共有してくれる仲間であると感じました。本当に、ありがとうございました。(那覇 平田大一)


実際の地平線通信では、見出しの両脇にトランプの「スペード」のマークが入っていますが、これは機種既存文字で文字化けの可能性があるため、省きました。


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