2005年3月の地平線通信



■3月の地平線通信・304号のフロント(1ページ目にある巻頭記事)

地平線通信表紙二年ぶりに地平線報告会に参加しました。田口洋実さんの話を聞きたかったからです。人間と自然との関係を考えながら長い間旅してきた私にはとても刺激的で、「来てよかったな。もっと多くの人に田口さんの話を聞いてもらいたいな。」と思った報告会でした。

それから若い人がたくさん来ているので頼もしく思いました。最近どこへ行っても世代交代を感じています。地平線会議も300カ月記念フォーラムの発言者の顔ぶれを見て同じことを感じます(私はその頃野生羊の狩猟を見るためシベリアのベルホヤンスク山脈というところに行っていました)。江本さんや三輪さん、その他発足当時のメンバーの人たちが蒔いて育てた苗を、若い人たちがしっかりと成長させ、花開かせていくような予感がしました。発足当時少年のようだった丸山純君や長野亮之介君、白根全君が老けて見えました(失礼)。

会場に着くなり、江本さんから「地平線通信フロントの原稿を書け」との指令がありました。徒然なるままに最近どんなことをしてきたか書いていきます。

■今、西洋医療に替わる代替医療に凝っています。具体的にはホメオパチー、針灸、刺絡療法など自然治癒力を生かす療法です。新しいグレートジャーニーも始めました。「グレートジャーニージャパン+海のグレートジャーニー」太古の時代に日本にやって来た原日本人の道筋を辿ろうという計画です。様々なところから日本人はやって来ました。昨年からそのうちの北方ルート、シベリアからサハリンを経由して日本にやって来た道筋を辿っています。それについては今月25日の地平線報告会で話をすることになっています。

海外での動きの他に、国内でも足元の「日本」を見ようと動き回っています。マタギ、鷹匠、アイヌ、東京西部で農業、牧畜、森林業、狩りをしている人たちと交流しています。しかし最も力を入れているのは自分の生まれた東京下町での職人さんたちとの交流です。

■豚皮のなめし工場では、肌の黒い外国人がたくさん働いています。ナイジェリア、ウガンダ、バングラディッシュなどから来ています。工場で働く人の半数が外国人です。最近不法滞在の外国人労働者の取締りが厳しくなっています。街角で見張っていて、パスポートをチェックして連行します。外国人労働者はその対抗策として工場で寝泊りし、一歩も外に出ないようにしています。最近は刑事が捜査令状を持って工場に踏み込むこともあります。

皮革油脂産業はここ20年、外国人労働者が厳しい労働条件下で働いてくれたおかげで、持ちこたえてきました。四人もまとめて連行され、機械を止めなければならない工場も出てきました。私の同僚、知り合いも捕まり、強制送還されました。「テロとの戦争」の余波と東京都が外国人排斥を強化したためです。

■豚皮は屠場で回収してきます。そのため芝浦や茨城、八王子の屠場の職人たちとも付き合っています。皮革油脂産業は屠場では肉以外の余りものから美しく丈夫な革、油脂製品を作ります。屠場では脳に衝撃を与えて気絶させた牛馬をナイフ一本で絶命させ、血を抜きます。颯爽と簡単そうに作業をしていますが、肋骨の中央の胸骨の下部から軟骨部を切り裂いていって大動脈を切り裂きます。返り血を浴びながら、一瞬のうちに済ませてしまいますが、熟練のいる仕事です。

職人のリーダーは「屠られる動物をかわいそうだと思ったことはない。」と断言し、皆自分の仕事に誇りを持っています。何度か学生を連れて行ったことがありますが、職人たちのナイフさばきを見て、多くの学生が「かっこいい。」といいます。しかし動物を屠る、血、骨、内臓、毛皮、脂を扱う職人たちはかけがえのない仕事をしているのに、差別、蔑視に遭うことも多いのが現実です。彼らとの付き合いを通じて学ぶこと、新しい発見が多いので、これからも付き合っていくつもりです。(関野吉晴)



2月の報告会から
野生の事情
田口洋美
2005. 2. 23(水) 牛込箪笥地域センター

前月の通信で「狩猟文化研究所主宰の東大大学院生」と田口洋美さんについて書いてあったのと、長野さんの挿絵でオタクっぽい学者さん(ごめんなさ〜い)と勝手に想像していた(2002年12月27日田口さんの「東北アジアの森の民」の報告を私は聞いていない)。が、「観文研」の最後のひとり、といわれ「あるくみるきく」を実践されている…と、丸山さんが紹介しているご本人を見て、「えっ!ジーンズ姿も清々しい、こんなかっこいい人なの?」とびっくりしているうちに、本題スタート。

◆「今、野生動物に何が起きているのか」は、裏を返せば「僕たち(人間)に何が起きているのか」ということ、そして人間はいつも「見ている側」にいると思ってて「動物たちから見られている側」でもあるということに気づいていない、と、田口さんは冒頭から大事なことを語り始めた。

◆そして、イヌイットやネイティブアメリカンなどを理想化することで一種のレイシズムに傾いている文明人。自分たちの失ったもの、捨てたもの、忘れたものとして先住民を美化・神秘化することによって、自分たちの文明の評価があがると考えている、と、やや痛烈に皮肉った。自らマタギ・サミットをもう15回開いてきた田口さんだが、「日本でもマタギを理想化するのではなく、彼らの生き方やその技術を検証しなければならない。彼らは生活のために猟をしてきただけなのだ」とも。「列島の狩猟史」など用意してくれた資料5枚が濃密だった。画像と資料の効果、何よりも田口さんの語り口の鮮烈さに、会場はぐんぐん引き込まれてゆく。

◆人口が数千万人の段階(昭和30年代頃まで)は、人間の生活と野生動物の間に狩猟が介在することによって農作物の被害の軽減、集落周辺の山林による自然災害の軽減、山菜・きのこなどの資源開発による周辺環境の監視と管理によって野生と人為のバランスがとれていた。現在日本列島は1億2780万人の人口のピークをむかえ、年寄りだけが残るという山村の過疎化、近郊農村の都市化が進んでいる。

「山村の機能的重要性を理解する人がいない。部落共有林だったものが個別所有の個人財産となって所有者が地元不在というのが現状。人口流出で労働力が低下しても肥料・薬品・機器のおかげで収穫量は倍増しているため耕作地は縮小している。山村の戸数減少で人為的圧力(動物を山におしあげる力)が低下している。そして近未来に人口は減少する(100年後には7、8千万人)。そして都市部は膨張し一部はスラム化、近郊農村は過疎化、残っていた年寄りが亡くなり山村は廃村化するだろう。

◆昨年、熊などの野生動物の同時多発出没(動物たちのテロ)はなぜおこったのか。野生動物による人身被害は年々増えつづけている。ひとつは人間に回避能力がなくなっているせいだ。今は山では稼げないので都市部へ人口が流出しており、その結果、村に情報が無い。また県外や町の人たちが知識も無いのにタケノコ狩りなどで山に入り襲われる。

もうひとつは、新世代ベアーズ(里に下りてくる熊)は昔の捕り方では捕れない。以前は人間と自然(奥山)の間には里山(かや場・くさ場)があった。今は肥料や家の材料を調達するという里山の機能を農協が提供してくれる。かわりに樹木の背が高くなった植林地がある。植林地は密閉林と下草で、視認性が悪く野生動物を撃ちにくくなってしまった。木の実などの餌の結実不良という説があるがそれだけではない。野生動物が山奥から降りてきているのだ。人間が都市部へ流出し、山村人口が少なくなった結果、野生動物が山を降りやすくなり、その分布域が広がっているのだ。野生動物の個体数が増加しているとは限らないが、山すそに行くほど個体密度が増えている。日光の鹿と奥志賀の鹿の分布域が広がり、二つが出会うのも時間の問題だ。それから降雪量の変化でイノシシは北上している。

◆真面目に、これから「ゆかいな日本列島」になるために都市に住む我々ができることは何か。最良の手立ては消費で手伝うこと。山村で作っている食べ物を意識的に買うことだ。地産地消である。地方に子供が増えて、若い夫婦が暮らしていけるように都市市民社会が消費を武器に支援することだ。それが、人為的圧力(動物を山におしあげる力)を回復する道だからだ。

◆そして「最近大学では独立法人化にともない業績実績主義が広まっているが、研究者は研究費取得のおねだりのために大衆受けする保護論を唱えるシンポジウムを開くのではなく、何のための研究か、理念に沿って考えるべきだ」としめくくられた。人間の身勝手だが、やっぱり野生動物は山にいて欲しい。道端や、ましてうちの中では会いたくない。特にクマはこわいもん。

◆子供を授かってから食の安全を考え、国産野菜や国産肉を手に取る事が多くなった。しかしそれまでは家計のことを考え、ただ安いという魅力に負けて外国産を買う事がほとんどだった。これからはクマさんたちのためにも、国産を買おう!

◆私はろくに勉強しなかったけど、田口さんのお話で初めて「学問といふもの」に触れたような気がした。そして、その内容は、とても楽しかった。(青木明美 はじめて颯人ちゃんを置いて報告会に参加)



地平線ポストから
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■藤原和枝さん 南米最南端から3月3日付けメール

江本さん、
先日の地平線、またまた内容濃かったようですね。旅に出るのは究極の楽しみですが、報告会を逃さなければならないのが唯一残念な事です。

◆南米の旅の17日目。ブエノス・アイレスから3000キロ。ウシュアイアを冷たい雲が垂れ込める寂しい街と想像してやって来たら、この時期世界中から南極目差して多くの人が集まり、宿もままならない混みよう。おまけにいきなり、リオ並み衣装のカーニバルに迎えられました。すべての人が南極を目差してやって来るわけではないけれど、「10日間25万」は3月11日まで売り切れ。「18日間50万」は空きがあると言われたけれど、まさかまさかですよ。ここの次はプンタ・アレーナスを予定しているんですが、これが1週間先までバスが満員。仕方なくいつもの旅のスタイルを捨て、一日一ケ所にしぼり体力未消化気味でやってます。そうしないと行く所が無くなってしまうんですから・・。

◆それにしても食材豊かなのに、料理に芸の無さ。味無しステーキ、粉まぶしただけムニエル、塩も入れない茹で野菜、香りゼロコーヒー。一応社交辞令でステーキ美味しいねなんて無理してますが。ここの人達に照焼き食べさせたいなぁとは日本人なら誰でも思うんでしょうね、きっと。周知の様に南米のそのまた南はチリ、アルゼンチンが2分していて、通行上移動にはこの2カ国を出たり入ったりする事になります。その度に残り少ないパスポートに派手にスタンプ押されて・・。うまくやれば6個は押せるのに、2個真ん中に押すな、寄せて詰めてよとヤキモキなんですが、下手な事言って別室っていうのももう嫌なので我慢してます。

◆そう言えば、2日前に石川直樹君に会いました。奮発して入ったレストランで。旅の初日にガイドブック置き引きされたドジ話をしたら、歩き方をくれました。取材の旅のようでしたが、地平線の輪が地の果てでも頼りになるとは。

◆今日氷河を一緒に歩いたドイツ人の青年はなんと貨物船に乗ってきたとか。上には上がいるもんだと人生はいくつになっても勉強になります。今、泊まっているのはベラスケス家。1泊1000円程、老夫婦が老後にやっているペンションなんですが、ホームステイ風で、毎晩いっしょに食事を作り、お互い自分だけ納得一方通行会話を押し通しています。私より一歩先にここに着いたカナダ人は、南極10日間25万をゲットしてハッピー。ボリビアからのプロガイドは仕事終わるや毎晩テレビのサッカーに我を忘れ、チャッカリ者のフランス人カップルはナショナル・パークから紫カラス貝をビニール袋いっぱい採ってきてワイン炒め作ったりと。

◆ところで、この家は2ヶ所出入り口がありますが鍵がありません。おじさんは、ウシュアイアは鍵なんて閉めないんだよと言ってます。そういえば、バスに乗ると皆が挨拶し合っていて───アミーゴ、シィ──アミーガ、シィと町中が知り合いのようです。何よりもペンギン、シーライオンなど逃げない野生動物達にこの街から離れがたい気にさせられています。

■3月6日メール

江本さん、マゼラン海峡が、強風でフェリーが3時間も止まってしまい、トータル15時間かかってプンタ・アレーナスに着きました。ここではウシュアイアのビーグル水道で知り合ったドイツ人の父と娘親子と一部屋3人で泊まってます。

◆娘は英語、スペイン語、ドイツ語を顔の向きを変える度、マシーンのごとく使い分け、ものすごいスピードで話が飛び交ってます。時々、私にドイツをまくし立てるので大笑いです。夕飯もレストランには行かず、娘カテリーナと私が料理し、ワイン好きのお父さんフランツと乾杯しそれはそれは楽しい食事です。3人のチームワークは息ぴったりで、この先プエルト・ナタレスでも一緒に泊まる事にしています。


■厳冬の極東シベリアを走る安東浩正さんから
 2月15日ヤクーツク発、葉書(3月9日、新宿荒木町着)

江本さん!

極東シベリア自転車走行中の安東です。間宮海峡横断のニュースはお伝えしたと思いますが、その後大陸に渡ってからなかなか苦難を強いられてます。テントが炎上したり、マフィアに襲われたりのトラブルもありますが、オホーツク海沿いに北上する冬道が今は存在しないためにここのステージをあきらめざるを得ませんでした。

残念ですが、今は次のステージの寒極のあるサハ共和国に列車で移動してきました。ここから零下50度への挑戦です。今回は前回の横断時よりも困難にあふれ、目の前にはシベリアの大自然が立ちはだかっています。同行者(注・京大OB)はここでリタイアすることになり、ここから単独です。もともと行けるかどうかわからないからこその挑戦ですが、なんとか春にはベーリング海峡にたどりつきたいものです。まだまだ旅はこれからです。


■田中千恵さんから『祝!オオカミ犬5匹誕生!!』−3月11日付けメール

江本さん 地平線会議のみなさまへ

東京陣馬山の麓から、春とともにやって来たちっちゃないのち誕生の報告です。

◆昨年11月の大集会で登場させていただいたカナダ生まれのオオカミ犬ウルフィーとラフカイががこの3月に5匹のお父さん、お母さんになりました!

◆今年夏で8歳になるラフカイ、まさかまさかの妊娠。年末に生理を迎えた彼女に子供ができていることが分かったのは、ようやくお腹とおっぱいが張り出した妊娠期間40日も過ぎた2月半ばのことでした。

◆そして、3月7日のお昼過ぎ、超高齢出産の初産などものともせずに、ラフカイは見事に5つのいのちを自力で産み落としたのです!その場に立ち会った田中さんと私はとにかく嬉しくて嬉しくて、涙がこぼれて仕方がありませんでした。新しいいのちが生まれる瞬間は、ただただすごくて、美しかった・・・。

◆ラフカイは見ているほうも温かくなるほどのお母さんぶりで、子犬たちは1日1日確実に成長していってます。まだ目の開かない子犬たちって、ワンワンキャンキャン言わないので、始終聞こえてくるのは人間の赤ちゃんみたいな甲高い声やお乳をこくこく吸う音なんですよ。本当にかわいい子供たちです!

◆ちなみに、初日は近くを通り過ぎただけで、ラフカイママから威嚇のうなり声を上げられていたウルフィーパパも2日目になりようやくお近づきを許されたよ うで、興味津々ラフカイと子犬たち専用の特製ベッド付近をうろうろしています。が、度が過ぎるとラフカイに睨まれる・・・さすがに昨晩はウルフィーも言いたいことがたまってるらしく、「ウオウオブーブー」長いこと不平不満の声をあげるものだから、私たちは大爆笑でした。

◆なんとも賑やかな毎日です。ラフカイの出産経過や子犬たちの様子は私たちのホームページで写真や日記で紹介していますので、7匹のファミリーに出会いた い方はぜひのぞいてみてください!
http://www.paddlenorth.com/


地平線ポスト 旅立ちの春

■石川直樹さん『4月からは博士課程に』3月12日

最近一番びっくりしたのは、南米最南端の町ウシュアイアで、地平線で顔なじみの藤原さんと出会ったことです。日本の街角で見かけるだけでも驚きなのに、ウシュアイアのレストランで出くわすとは。これは運命の出会いでしょうか・・・(笑)。

◆さて、近況です。4月から大学院の博士課程に進むことになりました。正式名称は「東京芸術大学大学院美術研究科 先端芸術表現専攻博士後期課程」といいます(長い!)。写真や執筆を続けながら、旅、人類学、民族学、文学、芸術の垣根を越える横断的な表現活動を続けていくつもりです。

◆4月はアボリジニ取材で中央オーストラリア縦断の旅へ、5月は再び南米パタゴニアとフエゴ島へ、6月はヴェネチアビエンナーレなどを観るためイタリア・ウィーンへ向かいます。

◆秋に大阪のキリンプラザで空と宇宙をテーマにした展覧会を予定しているほか、新宿ニコンサロンでの写真展、また3冊の新刊を秋から冬にかけて刊行予定です。随時、地平線通信でも告知していきますね。

◆今年も変わらず歩き続けます。ではまた!


■山田淳さん『旅立てるか?あつし!』3月12日

江本さんから電話があり、近況報告を、とのこと。それにしても、絶妙なタイミングでの依頼である。

◆ちょうど1年前、僕は病院に担ぎ込まれた。虫垂炎を我慢しすぎて腹膜炎。深夜の緊急手術。執刀医によると、朝まで待っていたら、大変なことになっていたらしい。その後2ヶ月、傷口から膿が出つづけ、電車に乗るのに階段が下れないほど体は弱った。病院から試験を受けに行ったり、結構大変だったのだ。

◆病院で、2ヶ月もぼーっとしてる中で、なんとなく就職してみようかなと思い(なんのこっちゃ?)とりあえず就職は内定をもらった。で、順調に行けばこのまま4月からカルガモとともに大手町をスーツ着て歩くという、自分自身も想像がつかないことになるはずなのだ。

◆が、そこはさすがに想像もつかないこと。エベレスト登頂だって、今流行りの言葉?で言えば「想定の範囲内ですから」なのだが、エベレストよりも高い山、卒業と言う壁が待っている。その結果発表が数日後なのだ。

◆普通に行けば卒業くらい・・・、と言うものだが、春にはツアーガイドとしてエベレストに行き、冬の最後の試験の数日前まではキリマンジャロにお客さんを連れて行っていた。そんなこんなでかなりきわどい絶妙?な状況なのである。

◆キリマンジャロでは、18名のお客様全員登頂。その成果を認めてくれたのか、先日、旅行会社から連絡があり、7月のツアーもやって欲しいとのこと。一応、就職してる予定なんですけど・・・、と言うと「あれ?就職はもうあきらめたと伺いましたが」・・・。あれ?

◆そんなこんなで元気にしてます。来年はアコンカグアでもお客さん連れて行きますかねぇ。(要するに、就職は決まっているのに、卒業できるかどうかこの日現在わかっていないらしい。本人はどうやら山のガイドが好きなんだろうねえ=E)


■坪井伸吾さん『講演会のお知らせ』2月27日

◆今年の5月から、北米(ロスからニューヨーク)まで5000キロを徒歩&ジョギングで横断しようと思っています。「アメリカ大陸横断ラン」最初に知ったのは2002年の下島さんと武石さんの報告会でした。会場からは「呆れた」の声も出ていましたが、僕は心底面白そうだと思ったんです。

それから試しで100キロマラソン(昨年6月)に出ると、これがゴールまで辿り着くことができ、自分でも信じられない気分でした。続いてこの3月5日、お台場で行われた「24時間チャリティーラン・ウォーク」の12時間走。案内をよく読んでなかったので直前まで、まさか夜走るとは思ってませんでした。あの日、お台場に夜景を見に訪れたカップルは、見てはいけないものを見てしまった、ような顔をしていました。そりゃ、そうでしょう。ただやっている人間は楽しいんです。予想外の自分の能力を知ることになるから。僕の場合は5キロの荷物を背負って72キロ走れました。24時間走り続けるほかの参加者と比べるとたいした距離ではないですが、自分としては自分自身の力にかなり驚いています。

◆アメリカはロスからNYまで、下島さん、武石さんの参加したランアクロスのコースをなぞって進みたいと思っています。今回は観光する気はありません。ひたすら一歩でも先に進みます。基本的には野宿ですが、そうなると荷物が増えすぎる。そこは現在検討中です。ランアクロスの資料を見ると暑さにランナーは苦しんでいる。しかも最初にモハベ砂漠越えがあるので、スタートは5月頭です(どっちみちいつかは暑くなりますが)。

期間は3ヶ月、現在地はHPに発表していきます。その時期、北米におられる方、僕を見つけたら、水の1杯でも恵んでやってください。老婆心だと思って聞いてくれ、といろいろアドバイスしていただいた下島さん、中山さん。トランスアメリカの思い出を語っていただいた海宝さん、ありがとうございます。ちょくらマイペースで楽しんできます。

◆85年にバイクで走った北米は僕の海外ツーリングの原点、それを別の手段で行くのは特別の感慨があります。そこで、これを機にバイク世界一周の旅を全国7か所で話します。僕が戸惑いつつも受け入れてきた、世界のさまざまな価値観。その「違い」をお楽しみください。またヘビメタ美青年がおじさんになっていく過程も必見です。

海外ツーリング講演会
『世界をバイクで駆けた20年』


●静岡 3/19(土)15:00〜16:30●
静岡県武道館・会議室AB JR藤枝駅南口徒歩5分
Tel 054-636-2332 会場費1000円

●京都 3/20(日)16:00〜17:30●
キャンパスプラザ京都・第四講義室
JR京都駅中央口より西へ徒歩2分 中央郵便局西側
Tel 075-353-9111 会場費1000円

●名古屋3/21(祝)13:30〜17:00(開場13:15)●
愛知県産業貿易館・本館地下1階第一会議室
会場費1500円
主催:TOP COACH (http://top-coach.net/)
15時まで坪井出番。後半は地雷除去・被害者支援NGO
「テラ・ルネッサンス」代表鬼丸昌也氏の講演。
申込:氏名、住所、電話番号、メールアドレス明記の上
< >へ。


●東京 4/02(土)15:00〜16:30●
東京目黒区民センター6階リクリエーションホール。
JR山手線目黒駅西口より徒歩10分、目黒川沿い、目黒社会教育館
Tel 03-3711-1137 会場費1000円

●和歌山4/09(土)14:30〜16:00●
和歌山商工会議所特別会議室。JR和歌山駅、南海和歌山市駅より
いずれもバスで10分。市役所前下車すぐ。和歌山城の北側
Tel 073-422-1111

●神戸 4/10(日)15:00〜16:30●
神戸市垂水ポルトバザール内、魚の学校
Tel 078-706-5550 会場費1000円

●山形 4/23(土)16:00〜17:30●
酒田市東北公益文化大学104号教室 (予定) 酒田市飯森山3-5-1
会場費500円 予約不要。
問合せ Tel&FAX 03-3760-5270 Mail

●詳細は坪井伸吾HP↓にて。
http://www.ne.jp/asahi/siesta/tsuboi



[1万円カンパ実行人リスト](05年3月15日現在)

地平線報告会300回記念1万円カンパ、いまもご協力くださる方が続いています。深く感謝しております。(地平線会議代表世話人 江本嘉伸)

金井重 丸山富美 埜口保男 北川文夫 飯野昭司 青木(生田目)明美 横山喜久 野々山富雄 西澤栄里子 中島菊代 岩淵清 森井祐介 花崎洋 坂下哲之 関根皓博 村田忠彦 賀曽利隆 大西夏奈子 松田仁志 岸本実千代 河田真智子 江本嘉伸 海宝道義 海宝静恵 遊上陽子 斎藤豊 河野昌也 近藤淳郎 鹿内善三 香川澄雄 シール笑みこ&スティーブ・シール 菊地由美子 白根全 村松直美 原健次 三上智津子 佐々木陽子 藤田光明 三輪主彦 佐藤安紀子 坂井紀子 石原卓也 加藤幸光 吉岡嶺二 藤本亘 松川由佳 山本千夏 山本祥子 田口幸子 瀬沼由香 小林天心 後田聡子 横内宏美 江本くるみ 杉田晴美 戸高雅史 井上智 宮本千晴 向後元彦 向後紀代美 藤原和枝 坂井広志 古山里美・隆行 下島伸介 桜井恭比古 神長幹雄 山田まり子 坂本勉 山田和也 中村易世 石川秀樹 山本将 網谷由美子 森國興 西山昭宣 田中昌二郎 楠藤和正 山川陽一 川島好子 掛須美奈子(敬称略)




■今月の地平線報告会の案内(絵と文:長野亮之介)
地平線通信裏表紙

極天の幸(さち)

3月25日(金曜日) 18:30〜21:00
 ¥500
 於:新宿区榎町地域センター(03-3202-8585)


「美しいけど、とても人が住めるとは思えなかったよ。オレ寒いのキライだし」と関野吉晴さん。93年、南米に向かう機窓から眺めたシベリアの印象です。「いざ行ってみると人がいっぱいいる。なんでだろう?」。

昨年からスタートした、グレートジャーニーの枝道を伸ばす旅で、再度シベリアに立った関野さんは、極北の民を支える自然の幸を目のあたりにします。地域によって海獣、魚介類、多様な狩猟獣、そしてトナカイ。衣食住の必需品であり、換金商品であり、交通手段ともなる幸を、ヒトは巧みに利用し、厳しい環境に適応していました。今年一月から二月に訪れたカルチョのウリチ族からは、とりわけ「トナカイのすごさ」を学んだそうです。

今月は関野さんの登場。モンゴル−極東シベリア−間宮海峡横断までの旅をタテ軸、極北の幸見聞録をヨコ軸に、お話をして頂きます。乞御期待。


通信費(2000円)払い込みは郵便振替または報告会の受付で!
郵便振替 00100-5-115188/加入者名 地平線会議(手数料が70円 かかります)


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