The Chiheisen News 2025-02

■このサイトのデザインを1995年の開設当時に戻しました

旧サイトこのサイトにアクセスしてみて、あれ、なんだかいつもと雰囲気が違うぞと感じられた方も多いことでしょう。じつは、2025年3月15日夜から「フレーム機能」を外しました。そのために、サイト内の各ページ左側にあった紺色の帯が消え、そこに表示されていたサイト各所へ飛ぶリンク(ボタン)もなくなっています。でも、これがいまから30年近く前、1995年9月にこのサイトを開設したときのオリジナルの姿に近いものなんです。

では、なぜフレーム機能を外したのかというと、トップページの本文に埋め込んだリンク(テキスト)をいくらクリックしても、そのページに飛んでくれなくなってしまったからです。さきほど3月号の地平線通信などを掲載してサイトを更新し、動作をウェブ上で確認してみたところ、Mac版のSafari以外のブラウザーでは、FirefoxでもChromeでもEdgeでも、リンクとして認識はしているものの、ページが遷移してくれません(Chromeではしばらく前からそういう仕様になっていましたが、それを回避する裏技を見つけて、問題なく表示されるようになっていました)。2月号ではきちんと動作していたと思います(記憶が曖昧ですが……)。なにか、おそらくセキュリティ上の理由のために、このような仕様の変更があったのでしょう(なお、もう消してしまいましたが、左側に縦に並んだメニュー(ボタン)は機能していました)。

このサイトを開設した1995年といえば、まだ日本のインターネットの黎明期。地下鉄サリン事件や阪神・淡路大震災などがあり、またWindows95が発売された年(MS-DOSとワープロ専用機がまだ幅を利かせていた)でした。政府や自治体、企業などでもウェブサイトを持っているところがほとんどなかった時代に、首都圏から離れて住む人たちと地平線会議の交流の場を広げていこうと、このサイトはスタートしました。

当時は回線スピードがすごく遅く、常時接続できる環境もほとんどなかったので、極力データを圧縮しなければなりませんでした。そのため、画像でリンク先へのボタンを作ることをしないで、表組み機能(ボックス)を使ってその背景の色をいろいろ変更してボタンもどきとするような、涙ぐましい工夫と努力をいろいろやっています。このテクニックは当時としてはけっこう新鮮だったようで、評価の声が寄せられたり、ずいぶん真似もされたものです。

ところが、サイトを開設した直後に私がしばらくパキスタンに行っているあいだに、日本のインターネットは劇的に普及・成長し、帰国したときにはすでに周回遅れになっていて、最先端の議論や技術的な問題にはついていけなくなっていました。

その後、1997年になって導入したのが、当時ものすごくはやっていた「フレーム機能」です。これを使うと、左側のフレーム内にメニュー(リンク)を表示させてクリックしてもらい、それに合わせて右側のフレーム内にページ(コンテンツ)を次々と表示させることが簡単にできます。メニュー部分のデータが重複することがないので、データ量も節約できる。膨大なコンテンツや複雑なサイト構造を手軽に見せることができると、こぞって導入するサイトが増えました。ただし、該当するページ(たとえば今月の報告会の予告ページ)をブックマーク(お気に入り)に登録しようとしても、親ページ(サイトのトップページ)が登録されてしまうのです。SNSでそのページだけシェアすることも難しい。そんなことから次第に人気がなくなり、いまではフレーム機能を使っているページは見なくなりました。

1997年にフレーム機能を導入後、いろいろと多忙でとてもウェブサイトのデザインを考える余裕がなく、毎月の更新作業を続けていくだけでせいいっぱいでした。最新の技術やデザインを導入することもできず、画面サイズに合わせた表示やスマホ対応などもできなくて、化石のようなサイトとなってしまっています。私があまりにも毎月アップアップしながらやっていたので、2000年代になってからは武田力君が毎月の更新作業を手伝ってくれるようになり、いまではすっかり武田君におんぶに抱っこになってしまっています。

30年分溜まった膨大なページを最新の技術をもとに作り替えるのは、簡単にはできません。何よりも、地平線会議の活動が1995年までとは大きく違ってきていて、いまのサイトの構成や情報発信のあり方を根本から見なおさねば改訂する意味がありません。幸い、高度なワザがまだなかった、1995年当時のままのシンプルなページがほとんどなので、そこそこの画面サイズが確保できる環境なら、多少見づらくても中身を読むことは可能です。新しいスタイルの情報発信は新しい世代に託すとして、当面はこのまま更新作業を続けていくつもりでいます。ご理解とご容赦をお願いします。(丸山純:2025.3.15記)



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