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(1)第21版 押 賣 新 聞 (昼刊) 1992年11月19日 木曜日
押賣新聞荻窪支局
新井由己+三五康司+丸山純+丸山令子
東京郡荻窪村大字杉並字南荻窪x-xx-xx-205
疑惑の地平線財政にメス
地平線通信の赤字、なんと報告会余剰金で穴埋め
補填の構図、ついに明らかに
通信費の再徴収はもはや時間の問題
赤字と黒字のはざまで混迷の極
毎月行なわれている地平線報告会の入場料の一部が『地平線通信』の経費に補てんされていることが、このほど本紙の調べで明らかになった。通信費を払わなくても毎月通信が届くことから、財界や某運送業筋などから献金があるのではないかと噂されていたが、こうして資金の流れを解明してみると、乏しい資金をけなげにやりくりしている、意外な姿が見えてきたようだ。
10月の報告会に潜入した本紙記者によると、入場者数は49名。アジア会館の使用料が1万円であることから、1万4500円の収益をあげたことになる。このところの平均来場者数が50名前後とすると、毎月1万5000円ほどの余剰金が生まれるはずであるが、これほどの大金の使途はこれまで一切不明であった。報告会終了後、新宿ションベン横町で盛り上がるための交際費として使われているのではないかと、各方面から疑問の声も噴出していた。
一方、印刷業界消息筋の話では、地平線通信の制作に必要な経費は、約550部の印刷代が1万2000円、封筒代が3000円だという。加えて送料に3万5000円かかるとみられ、総額5万円が1ヵ月に必要であると推定される。
最後に通信費を集めたのは、1990年7月であった。翌月の通信には、約100人から支払われたと書かれている。最終的には500人ちかくの読者から支払いがあったことがその後の調べで明らかになったが、このときに集めた金額だけでは、約1年半で使い果たしてしまう。
しかし、残りの10ヵ月分が報告会の余剰金でまかなわれていたと考えれば、すべての点で納得がいくことになる。ただし、不足分を単純に計算すると50万円。これを補てんした期間で割ると月額1万8000円となり、報告会の平均参加者数でまかなえるぎりぎりのラインといえる。新規登録者を加えても、かなり厳しい状況であったと思われる。
最近、経理担当者に対して行なわれた査察で、通信費と報告会の残金を合わせた金額よりも、現在の残高のほうが多いことが発覚した。財政が破たんしてどうにもならず、篤志家などからの緊急献金が行なわれた可能性も考えられるため、本紙は引き続き調査を続ける意向を固めた。【写真=一般に流通していないこの地平線紙幣を報告会の入場料として定めれば、補てんは不可能になるのだが……。】
剣道君を追え
謎の旅行者の足跡、探索へ
本紙では、現在アジア大陸旅行者の間でしきりに喧伝されている「剣道君」なる旅行者の行方を追うために、地平線関係者に広く呼びかけて情報提供をお願いすることになった。
剣道君とは、91〜92年にかけてアジアの西部地域で目撃され、欧米の旅行者からも「未確認完全武装変人」(Unidentified Safedefence Oddity)などと呼ばれて不思議がられた日本人旅行者で、その特異な旅行スタイルが注目の的となっていた。
本紙が入手した証言では、彼は以前南米大陸を放浪中に強盗に襲われて瀕死の重傷を負う羽目になり、帰国して治療に専念していたが、旅への熱き想いが断ち難く、今度はアジア大陸横断をめざしてトルコのイスタンブールに飛んだ。その際自ら身を守るため、日本古来の武道である剣道の防具を持参して装着。完全武装状態でガラタ橋を旅立ったという。
その後、イラン・アフガニスタン・インド等で目撃されており、順調な旅行を続けていたようだが、タール砂漠ではさすがに面と籠手をはずしていたという証言もあり、本人の健康状態が気づかわれている。本紙では現在、この剣道君の消息に関するあらゆる情報を受け付けている。引き続き、新事実が確認され次第、詳報をお伝えしたい。
■東京……曇り時々晴れ一時雨
■大阪……曇り時々晴れ一時雨
■熊本……曇り時々晴れ一時雨
■チェンライ……曇り時々晴れ一時雨
■ギルギット……曇り時々晴れ一時雨
■カトマンズ……曇り時々晴れ一時雨
荻窪駅の再開発が始まり、北口にあった1軒のラーメン屋が店を閉めた。知らずに訪れた常連客が残念そうにはり紙に目を通す
◆昆布とかつおぶしをベースにした、あっさり味のスープが印象に残っている。ふと、最後に訪れたときの情景が浮かんだ
◆隣席にいた若者たちが、新聞を発行しようとして企画を練っている。ついぞ聞いたこともない外国の地名が会話中に飛びかっていたが、3人とも荻窪に住んでいるようだ
◆このように地域が活性化していくのはいい傾向である。なにより家が近いのだから、簡単に集まることができる
◆お互いに顔を付き合わせながら話をしていると、意志の疎通がスムーズにいく。目は口ほどにものを言う
◆3人はピリッとした刺激にあふれる新聞を作ろうと意気込んでいた。あっさり味の店の後に、濃い口の新聞が生まれる。
西堀榮三郎 選集 |
1・人生は探検なり 2・未知なる山・未知なる極地 3・技術の創造力と品質管理 別巻・人生にロマンを求めて |
1〜3…3500円/別巻…4500円 | |
悠々社 | 新宿区神楽坂3-6 03-5261-0052 |
今は亡き恋人への想いが、男を モルディブの海へと駆り立てた 狩人たちの海 岡村隆 |
旅人の目で書き上げた 800枚の感動巨編 |
1500円 | |
早川書房 | 千代田区神田多町2-2 03-3252-3111 |
写真集 マスード 愛しの大地アフガン 長倉洋海 |
ひとりの青年が 歴史を背負わなければ ならない時がある |
4950円 | |
JICC出版局 | 千代田区麹町5-5-5 03-3234-4621 |
地平線から・8 地平線会議編 |
今だから問う 80年代の行動の意味 |
2500円 | |
地平線会議 | 地方小出版センター経由でお申し込みください |
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