■Part
2…[写真展・地平線発]を開催するために
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●●写真展開催に向けた6つのステップ
このPart
2では、[写真展・地平線発]を開催するために必要となるであろう手順をまず6つのステップに分けて説明し、さらにどんな費用が発生するか、説明してみます。あくまでも標準的・代表的なケースを想定していますので、規模やスタイルによっては、この通りにはいかない場合もあると思いますが、とりあえず目を通してみてください。きっと役に立つはずです。
【Step 1…企画・アイデア出し】
まずは、いちばん楽しい部分、アイデア出しです。どうしたら楽しい、ユニークな企画になるか、そして、どうやって「写真展・地平線発」らしさを打ち出すか、自由に意見を出し合ってください。
【Step 2…実現に向けた企画内容のチェック】
続いて、東京側との打ち合わせの前に、以下の点について、みなさんの側の意向をまとめておいていただけると、話がスムーズに進みます。
◆1. どこに魅力を感じて、[写真展・地平線発]をやりたいと思ったのか?
- 写真展をやる意味がどこにあるのか、写真展を通じてなにを訴え、どんな効果を狙うのかなどを、簡単に説明できるようにしておいてください。その写真展のコンセプトや、どんな雰囲気になりそうなのかが、はっきりしてくると思います。
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- ◆2. どんなスタイルでやりたいのか?
- 大規模なものか、ささやかな手作りか、イベントの一環か、文化活動のひとつか、など。
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- ◆3. どんな人たちを来場者として考えているか?
- その地域に住む地平線の仲間たちなのか、まったく関心のない一般の人たちなのか、子どもたち対象なのか、わざわざ足を運んでもらうものなのか、なにかのついでに寄ってもらうものなのか、など。
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- ◆4. 会場はどこが使えそうか? どのくらいの広さか?
- すでに予定されている会場があったら、地図や図面などを用意していただけると、より実りある打ち合わせが可能になります。簡単な見取り図でもかまいません。作品を何点展示できるかは大きなポイントになりますし、受付やストックルームなどの場所なども、たいせつな検討事項です。会場の壁に釘が打てるのか、さらに入場料を徴収してかまわないのかなども、できれば調べておいてください。費用がずいぶん違ってくるはずです。
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- ◆5. マンパワーはどのくらい確保できるか?
- 作品の搬入・搬出から、作品の取り付け、照明、そして受付やカタログの販売などまで、手伝ってくれる人たちをどのくらい確保できるかが大きなポイントになります。マンパワーがあれば、自分たちでやってしまい、経費をかなり節約することが可能になります。
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- ◆6. 予算はどのくらい確保できそうか?
- どうやって資金を確保するかは、小規模な写真展でも付きまとってくる問題です。この段階ではまだまだあいまいでしょうが、とりあえずのめどを。
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- ◆7. 協力してくれそうな自治体や企業、団体、個人などはあるか?
- 資金だけでなく、広報活動から現物提供まで、さまざまな形で協力を仰げると思います。名前を貸してくれるだけでも助かる、というケースも出てくるでしょう。
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- ◆8. 実施母体はどうなるのか?
- 日本の商習慣では、このような写真展で「主催者」というと、お金を出すところを指すことになるようです。そこが口も手も出す場合もあるでしょうが、ぽんとお金を出すだけで、企画を推進していくのは別の組織が受け持つ場合も少なくありません。いくつかの組織が連合する場合も考えられますので、実行委員会を作っていただくのがいちばん活動しやすくなると思われます。「[写真展・地平線発]を○○で開催する会」などという名称にすると、だれにもわかりやすく、動きやすいのではないでしょうか。
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- ◆9. ほかの企画との連動は考えているか?
- なにかのイベントの一環として写真展を開催したり、あるいは写真展にプラスして講演会やシンポジウムなどを開いたりすれば、より立体的な企画となり、実りあるものになることでしょう。
【Step 3…東京の実行委員会との刷り合わせ】
あるていど企画としてまとまってきたところで、東京の実行委員会との刷り合わせをしていただくことになります。過去の事例を参照しながら、具体的にひとつひとつ詰めていきましょう。
◆1. 内容(実施コンセプト)の検討
- とくに他のイベントと連携している場合は、写真展の趣旨が損なわれないよう、おたがいによく注意する必要があるでしょう。
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- ◆2. 展示方法、写真展の規模とスタイル、運営、予算の検討
- これで、だいぶ具体的なイメージが固まると思います。Page
6でご説明した「地平線会議からの期待」の各項目についてじゅうぶん検討していただいていないと思われる点に関しては、再考をお願いすることもあるかもしれません。
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- ◆3. 見積もり案の提示
- その場できちんとした見積もりを出すのはむずかしいかもしれませんが、だいたいの線は話し合えるでしょう。
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- ◆4. 過去の事例からの運営アドバイス
- とくに運営面について、これまでの成功例、失敗例を参考にしながらアドバイスできると思います。
【Step 4…実施計画の立案と推進】
東京側との刷り合わせをしていただいたあとは、いよいよ写真展の実現に向けて具体的に動きだすことになります。以下、説明は不要だと思いますが。
◆1. 実施母体(実行委員会)の発足
◆2. 当初の企画の再検討と煮詰め、企画書の作成
◆3. 会場の確保
◆4. 展示方法や施工などの具体的検討
◆5. 予算の手配
◆6. 事前・期間中のマンパワーの確保
◆7. 広報宣伝活動計画の作成
【Step 5…直前の準備】
写真展の直前になると、これまで静かに進行していた作業が、一気に具体化します。なかでも重要なのは、広報宣伝活動の展開です。より多くの人に写真展の存在を知ってもらう努力が、のちのちの大きな手応えにつながります。閑散とした写真展はさびしいものです。さらに、写真展の実施スタイルによっては、東京側との密接な連携が必要になるでしょう。
◆1. 地元メディアへのアプローチ
- 新聞社、テレビ局、ラジオ局、市報、情報誌(ミニコミ)、そしてもちろん、いちばん効き目があるのは口コミです。
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- ◆2. 取材対応
- 単に情報欄に載せてもらうだけでなく、事前に、あるいは期間中に取材してもらい、記事や番組として紹介してもらえると、来場者数がぐんと違ってくるはずです。
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- ◆3. 案内状などの用意と配布
- 記事や情報として載せてもらうためには、あらかじめポストカードやチラシなどの案内状があると、話がすんなり進みます。予算があれば、ダイレクトメールや手渡しなどの形で案内状を配布できると効果的です。ポスターまで用意するのはたいへんですが、手作り的に作るのなら、なんとかなるかもしれません。効果はひじょうに大きいでしょう。
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- ◆4. 東京側との連携
- 全国に700名の読者を持つ地平線通信をはじめ、パソコン通信やインターネットのホームページなど、地平線会議のメディアを使って、広く案内を流すことが可能です。また、マスコミなどへの東京からのプッシュも、かなり効果があるかもしれません。施工などを東京側で担当する場合は、さらに緊密な連携が必要になります。
【Step 6…開催期間中の対応】
開催中に必要となるのは、なによりもマンパワーです。
◆1. 受付業務などを担当するボランティア
- 受付やカタログ、地平線会議の印刷物の販売などを担当するボランティアを確保しなければなりません。会場が不便な場所にあったり、期間が長い場合は、とくに念入りな打ち合わせが必要となります。
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- ◆2. 取材対応
- マスコミの取材などがある場合、写真展の趣旨などが語れる人に会場に詰めていていただけると、記事や番組がおもしろくなります。なにかのアクシデントが起こらないとも言えませんので、責任者の方は、常に連絡がとれるようにしておく心構えも必要でしょう。
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- ◆3. 設営・撤収時の手伝い
- 業者に依頼する場合でも、手伝いの人がどれだけいるかで、かかる時間が大きく違ってきます。このような展示会の裏方をやるチャンスなど、そうはありませんから、なるべく多くの方に手伝っていただけるよう、誘ってください。
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- ◆4. 写真展の記録
- 都合がつかない、遠い、病気や怪我、出かけているなどの理由で、会場まで足を運べない仲間もなかには出てくるでしょう。全国の地平線の仲間にとっても、これは同じです。どんな写真展だったのかを会場の人以外にも体験してもらうために、ぜひ写真やビデオによる記録をお願いします。次の開催地に向けての貴重な参考資料にもなります。