■戸高 雅史 【TODAKA Masafumi】
054 パキスタン[1996年7月29日]
K2峰(8611m)頂上アタック…最後の登り。一つのピークを越えた。だが、目の前にはまだピークがあった。雪の上に跪き、しばらく息を整える。再び僕は見上げた。真白き雪稜が藍の空へ突き上がってゆく。
055 パキスタン[1996年7月30日]
K2峰(8611m)登頂を終えた翌日、ベースキャンプ(5200m)へ戻ってきた。K2は大きなエネルギーに溢れていた。僕はその愛に包まれていた。ただそれだけで充分だった。 妻・優美撮影
056 パキスタン[1996年6月6日]
K2峰(8611m)へのキャラバン最終日、コンコルディアから一路北へ向かう。バルトロ氷河4800m付近、クレバスが口を開ける。背後に鋭くミートルピークが天を突く。
057 パキスタン[1996年6月6日]
K2峰(8611m)へのキャラバン最終日、バルトロ氷河5000m付近。いよいよK2と対面する。ポーターたちとも今日で別れ、ひとりの登攀が始まる。
058 パキスタン[1996年7月9日]
K2峰(8611m)への最初のアタックで7400mに泊まる。ハンギンググレイシャーのもとに一人用テントを張る。昨年縦走したブロードピーク峰がよく見える。
059 パキスタン[1996年]
7月29日午後4時20分。雪に覆われたK2峰(8611m)の最高点に到着した。空は雲ひとつなく、やわらかな空気に満ちていた。ただひとりで居ること。それはすべてと一つである。