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■地平線通信の2月号で、なぜ「地平線キネマ倶楽部」を立ち上げようと思ったのか、その次第を書かせていただきましたが、その「第二弾」として『おらが村のツチノコ騒動記』(今井友樹監督/71分)の先行上映会(試写会)を開催することになりました。
◆日時は「3月20日」(水曜日・春分の日で祝日)。会場は前回と同じ「新宿歴史博物館」の講堂で、13時40分に開場、「14時から開演」します。上映終了後、今井監督の「トークショー」があります。会費(資料代)は1000円。地平線会議が初めてという方もご参加いただけます。申し込みは不要。当日、直接会場にお越しください。
◆今井さんは昨年の6月の地平線報告会「幻の蛇を追って」に登場してもらったので、みなさん、記憶に新しいことでしょう。世間一般ではうさん臭く思われがちなツチノコが、地平線会議のみなさんにはとても好意的に迎えられ、自分の子ども時代の目撃談もまったく偏見なく受け止めてもらえたことに、今井さん自身、とても感動していたようです。
◆その報告会を受けて7月に刊行した地平線通信では、今井さんの映画づくりの手法やツチノコの実在をめぐって、熱い思いを込めた投稿が幾つも並びました。車谷建太さんによる報告会レポートも出色の出来です!
◆報告会では個々の取材映像を断片的に見せてもらっただけで、いわば「お預け」「乞うご期待!」となった印象がありますが、それらが1本の作品としてまとまったらどれだけのインパクトを持つのか。心から楽しみにしています。[丸山純]
『おらが村のツチノコ騒動記』の先行上映会
主催:地平線会議(地平線キネマ倶楽部)
日時 2024年3月20日(水・祝)
13時40分開場 14時開演会場 新宿歴史博物館 2F 講堂
〒160-0008 東京都新宿区四谷三栄町12-16
JR中央線・総武線、東京メトロ南北線「四ツ谷駅」より徒歩10分
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」より徒歩8分
都営新宿線「曙橋駅」より徒歩8分
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/
参加費(資料代):1,000円
問い合わせは、「 」へ。(博物館側は会場を提供するだけなので、問い合わせなどはしないようお願いします)
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うまく宛先が取得できない場合は「cinema-club[あっとまーく]chiheisen[どっと]net」([]ごとそれぞれ半角で置き換えてください)宛てでメールしてください。
今月(2024年3月)の地平線通信では、今井友樹監督が以下のような文章を寄せてくれています。
■没後10年姫田忠義回顧上映会。この企画を民映研のメンバーを巻き込んでやり切りました。「親父が死んで10年、親父も宮本先生が亡くなって10年くらいで、不思議と先生の話をしなくなった。今井くんも、これからは自分の時代だね!」。姫田さんのご子息の姫田蘭さんから言われました。
◆僕が映像を生業にして20年が経とうとしています。これまでずっと民映研の意義を素直に信じ、民俗の映像記録の大切さをひたすら実践してきました。そのことを信じて疑わず。ただ、いま頃になって思うのです。なぜ大事なのか、どういう未来があるのか、型にはまり過ぎていやしないか、もっと柔軟でよいのではないのか……。先の回顧上映会は、頑なだった自分の心を揺さぶりました。
◆特に、来月から劇場公開も予定している民映研の代表作『越後奥三面—山に生かされた日々』(1984年/145分/デジタルリマスター版。4月27日からポレポレ東中野でロードショー予定)。いままで何度も見ている作品なのに、印象が全く違っていました。見ている自分の内面を刺激したのです。それは民映研で積み上げてきた映像制作のテクニックが、ガタガタと崩れるようでした。
◆もっと素直に、純粋に、下手に、無骨に、生身の人間として記録と表現に向き合うことが必要と感じたのです。そう思うようになった僕の心境の変化は、実はここ数年の間に起こっています。ツチノコの映画でも同様でした。先々月、ようやくツチノコの映画が完成しました。この映画は一度昨年夏に編集を終えていました。しかし、そこから幾度か内容をがらっと作り変え、現在の形に行き着いたのです。
◆どういう方向でまとめていくのがベストか、自分ではわからなくなっていたからです。そんな迷いに答えを出せたのは、スタッフや仲間からのアドバイスでした。これからの20年、記録するという姿勢は変わらないけど、僕はまったく違うプロセスで向き合っていこうと思っています。変化を積極的に受け入れて、新しい自分に生まれ変わろうと心に決めました。どんな世界が待っているのだろう。僕は、いまとてもワクワクしています。そんな僕の転換期に出来上がったツチノコの映画を、5月からの劇場公開に先駆けて3月20日に地平線キネマ倶楽部で試写会を行います。ぜひ、ツチノコを見届けていただけたら幸いです![今井友樹]
(地平線通信539号より転載)