次回の上映作はまだ未定(交渉中)です

緒方利明さんから上映会の感想が寄せられました

■笹谷遼平さんの『馬ありて』上映会、すばらしかったです。参加できて、ほんとうによかった。ありがとうございました。

◆作品は、もちろんすばらしかったです。そして笹谷さんと丸山さんの対話的ライブもすばらしかった。笹谷さんの真摯で誠実な創作への向き合い方が伝わってきました。特に丸山さんの云う「馬のイヤそうな顔」という表現が、ぼく的にはとてもフィットしました。そこから、笹谷さんのお話が展開してゆきました。

撮影:小原直史

◆上映後、笹谷さんと直接におはなしできて、勉強になりました。「ポニーのソリ引き映像の撮影のときは背後に“二人乗り”して撮影したのですか?」という質問に、笹谷さんは「そうです」。さらに、つづけて詳しく説明してくださいました。「“強い馬”を持ってるということが、とにかくステータスなのです。ですから、『二人乗りでもこのポニーは、引ける。強い馬なんだ』という誇示なのだそうです。ベンツかフェラーリか、ということとまったく同じなのです」。

◆「作品に登場する戸田富治さんが『人間がイチバン悪い』というようなことを語る場面がありましたが、あのシーンは、戸田さんに笹谷さんご自身の(3.11以降に変化した)“人生観・世界観”や“制作意図”を話している流れで生まれたカットなのでしょうか?」。笹谷さんは「その通り」という答えでした。

◆「馬が木を運び出す仕事は、今も有るのでしょうか?」。「あります」。しかし、それは「馬搬によって運び出された木材を使って生産している商品を謳う」という「ブランドのための馬搬」なので、自分の作品撮影の範疇では無い、とのことでした。本来の、まさに「馬搬としての馬搬」を仕事にするひとは、見方芳勝さんが最後、とのことでした。

◆二次会でもお話しすることができてよかったです。創作者として、心身タフな方だなあと感じました。機材も、持ち得るものを最大限に活かしてるという感じがしました。「自身のテーマ」を設定してゆく経緯のセンスが、すばらしいとおもいました。そして、したたかだと感じました。スゴイです。柔軟で臨機応変でありながら、「ブレず、流されない」ための工夫を更新されている感じ。目前に起きることに乗っかりながら、同時に思考対応してゆく。感性の緻密さを感じました。とても勉強になりますが……とても真似はできません。

◆笹谷さんは、話しながら随所に「資本主義批判」みたいな主観をまじえて語ってくださいました。ぼく自身も共感するところです。表現者・創作者は、この国で、日本型資本主義社会で「生きてゆかねばならない」です。ましてや、子育てをされていたら、仕事の方向性や選択肢への影響は、多大なるものがある。「ARTを生きる」ことにも切実果敢だとおもいます。超スゴイひとだとおもいました。(緒方利明:上映会翌日の丸山宛てメールより抜粋)

この記事を書いた人

地平線キネマ倶楽部事務局。デジタルエディター。北部パキスタン文化研究者

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