津波見物の悲劇-仙台以南の太平洋岸で起きたこと

東北への旅を続けている賀曽利隆さんから《「津波見物」の悲劇》と題してメールが届いた。日本中の林道を走り、日本中の温泉に浸かり、食文化の研究者であ り、サハラ砂漠縦断14回という地球規模の旅人でもある賀曽利さんは、東北のすべての町や村を知る、熱烈な東北応援ライダーでもある。今月24日に予定し ている386回地平線報告会では、彼が見聞してきた被災地のすべてをレポートしてもらうつもりです。

江本さん、「頑張ってるぞ!東北!!」ツーリングの第3弾目から帰ってきました。
今回は徹底的にいわき市をまわりました。いわき市は日本でも一、二の広い市域ですが、ここはまさに「林道天国」でいわき市内の10本以上の林道を走ってきました。またここは大変な「温泉天国」で10湯以上の温泉にも入ってきました。

舞子浜の四倉舞子温泉では「よこ川荘」が営業を再開し、さっそく泊めてもらいました。宿には渡辺哲さんがバイクに乗って来てくれました。渡辺さんと一緒におかみさんの話を聞いたのですが、舞子浜では多くの犠牲者が出、いまだに行方不明の方々も多くいるとのことです。

衝撃的な話も聞きましたよ。
多くの犠牲者の出た理由のひとつは「津波見物」だというのです。地震のあとすぐに逃げればほとんどの人が助かったということですが、大津波警報が出ても、「どうせ4、50センチくらいの津波だろう」ということで、相当数の人たちが堤防上に座り込み、やって来る津波を見ようと待ち構えていたといいます。ところが「津波見物」の人たちは逃げる間もなく、巨大な真っ黒な壁となって襲いかかってきた大津波に飲みこまれてしまったというのです。

このあたりでは津波への恐怖がまったくなかったことが、大きな悲劇を生んでしまった理由です。「舞子浜の悲劇」はここだけにはとどまりません。仙台以南の太平洋岸では、同じような例がかなりあったと思われます。「どうせ4、50センチくらいの津波だろう」と多くの人たちがたかをくくり(何しろ昨年の大誤報的大津波警報があったので)、逃げ遅れて巨大津波に飲み込まれてしまった人たちが相当多く、いたと思われます。いったん逃げたものの、家が心配で戻ったところを津波に襲われたという話もあちこちで聞きました。
明後日には「頑張ってるぞ!東北!!ツーリング」の第4弾目に出発し、「いわき→八戸」を走ってきます。(賀曽利隆)

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津波見物の悲劇-仙台以南の太平洋岸で起きたこと への1件のコメント

  1. もんがぁ〜さとみ こと 古山里美 より:

    賀曽利さん、おかえりなさい&またまたいってらっしゃい!
    私の方も明後日10日から再びRQ登米に行ってきます。1週間ぐらいは活動できるかな〜。

    別の話その1:6月11日から公開の映画「星守る犬」。ストーリーもいいそう(江本さんが原作をおすすめしていましたね)ですが、ロケ地に東松島やいわきなど、今回の被災地が含まれているそうです。タイミングがあえば見たいと思っています。

    別の話その2:先日WTN-Jのお話会でRQのボランティア体験談を語ってくれたオクさんこと奥平さんは、今月上旬からボランティアに再び出かけています。今回は、RQのデリバリーチームで一緒だった田口さんという方に個人的にひっぱられ、人手が不足しているという福島県いわき市で活動しています。広大な農場の放射線に汚染された土の表面をスコップで取って、土嚢袋に入れ軽トラックで運ぶという作業をしているそうですが、2〜3人ぐらいの体制だとか。しかもそのうち、今日は1人腰痛でお休みとか。昨年から1年かけて単独自転車でユーラシア大陸を横断した奥平さんが、『重労働です』というので、人手が足りないと言われても、かよわい私はお呼びじゃない…。とにかく広いらしいので、いつ終わるかも見えないとのこと。こういう数人での地道なボランティアもあるのです…。でも、布団に寝られて3食風呂付きだそうです。それはいいなぁ。

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