幸田文の「崩れ」に、地震や津波は日本人にとって、切っても切れない宿命的なものと気づく-石原卓也さんから

石原卓也さん、といっても知らない人がほとんどだろう。毎月第4金曜日の地平線報告会に必ず来ている人。いつも静かに、じっと聞き入っている。そういう人が地平線報告会には案外いる。2次会にも来ないので、それほどの“常連”でも世話人たちは知らなかったりする。

そういう人がいることがまた、いいのだ、と私は思う。仲良くべたべたする必要はない。今回の東日本大震災は、しかし、そういう人にもひと言語らせるだけのインパクトがあった。石原卓也さんから、以下のようなメールを頂いた。

(4月16日10時56分着信)

江本様
地平線会議に参加して12年、はじめて連絡します。
地震発生時に感じたこと
当時、幸田文の作品「崩れ」を読んでいました。
今から10年前、訪れた立山砂防ダム工事の崩壊地に築かれた幸田文の文学碑が印象に残り、読んでみたいと思っていた小説でした。
・作家の友人や周囲の人は、「何故観光地でもない崩壊現場を見たいのか、もっと風光明媚な場所を訪ねればいいのに」と語っています。
・著者の崩れの見聞には誰も興味を示してくれません。

今、東北の津波による災害現場をニュースの映像などで盛んに流れていますが、一般の人々は突然の崩壊現場を目の当たりにして、この先の行方に戸惑っています。
晩年、幸田文は自らすすんで大谷崩れ、大沢崩れ、有珠山など崩壊地めぐりをしています。
地震や津波は日本人にとって、切っても切れない宿命的なものであることに改めて気づかされました。著者は、国民に、忘れ去られたこの国の成り立ちと人々の暮らしとの共生を思い出してもらい、未曾有の災害が発生する前に上梓したのだと思いました。
石原卓也 会社員

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