96年9月の地平線通信
拡大神戸集会特大号
(全12ページ)…その3

※容量が大きいので、4つのファイルに分かれています。



第20回地平線マラソン

青空の下、秋をも感じさせる爽やかな風吹く8月25日−
兵庫県は武庫川河川敷で、記念すべき第20回地平線マラソンが行われた。

 

∞∞∞∞∞∞∞∞The 20th Chiheisen Marathon∞∞∞∞∞∞∞∞

 東京以外での地平線報告会が初めて行われた翌日、その名残りのアルコールを体のすみに残したエントラントと開催スタッフは、続々と会場となる河川敷へとやってきていた。しかしスタートをする頃には、爽やかな風が止むと同時に夏の日差しがびりびりと注ぎ、容赦なくランナーを照らしつけるのだった。

 コース状態は固く締まった土と砂利が混じっており、走者にはこの路面から照り返される太陽も大きな敵である。また緩やかに武庫川と平行して蛇行するコースは、何本もかかる鉄橋や橋が距離間隔を麻痺させる伏兵でもあった。

 ランナーは11名。三輪氏が不参加の今回、激戦が予想される花岡氏と松田氏と江本氏の戦いが見物と大方の予想の中スタート。直後より激しい飛ばし合いとなる。その3名に次いで落合氏がピッタリと江本氏をマーク。1km地点で花岡氏と松田氏が引き離しにかかり、江本氏の犬好きを察したのか、落合氏を含む第2グループを大型犬が後を追う。しかし実は犬恐怖症の落合氏が、恐怖感よりするりと江本氏を抜き出、引き離しにかかった。だがこのスパートのせいで落合氏の作戦はメロメロとなり、江本氏には折り返し地点で抜き返されてしまう。

 その折り返し地点では、平本氏が水を用意して待っていた。次々とその水をがぶ飲みする人、少しだけなめる人、頭からかぶる人と復路へ突入して行く。この時点での順位は、頻差の花岡氏と松田氏、この隙に3位へ順位を上げる江本氏、ゆっくり水を飲む落合氏、昨日の三宮の会場から自転車でここまで走ってきた上に、最後尾からここまで順位を上げてきている榊原氏、東京から自転車で延々と走りTシャツの跡を体に刻み込みながら「チャリンコ足とマラソン足は違うぞ!」と叫ぶ長野氏、「みんなマジだぞ、裏切りだぁ!」と呪う宇都木氏、着実でシブい走りの北川氏、地平線初参加の近藤氏、名誉ある拡大神戸集会実行委員長をつとめた岸本氏、少々バテ気味の山形から最遠賞参加の飯野氏という順で折り返す。復路はそれぞれの間隔を保ちながら、孤独な戦いとなった。

 そして、堂々のゴールを最初に切ったのは、淡々とペースを守り、走り抜いた松田氏だった。次いで後半少々引き離された花岡氏。そしてやはり速かった江本氏、申告タイムが疑惑の落合氏、スタミナを発揮した榊原氏、数え切れない程の峠を自転車で越えるよりも走るのが辛かったのか長野氏、途中目眩がしてペースを極端に落としたと言う北川氏、周りのハイペースに地元も脱帽の近藤氏、そして昨日の大任疲れか本調子が出なかった岸本氏がゴール。しかし最後のひとりがまだ見えず、皆が心配になりかけた頃、いつの間にか迎えに行った江本氏に伴走されながら、飯野氏がゴール。無事全員が完走を遂げた。最後尾の飯野氏にしてもスタート前の自己申告タイムよりもかなり速く、この戦いがいかにし烈だったかが想像にたやすい。

 花岡氏提供の優勝賞金の500ルピア札が100枚というぶ厚い札束、50,000ルピアが勝者松田氏に手渡され、良きライバルを讃える。孤独な戦いとも言えるマラソンでもうひとつの順位である自己申告タイムとの差では、これまた松田氏が勝者となった。次いで同着で江本氏と北川氏。

 記録の山本氏と杉田嬢、撮影スタッフの丸山夫妻と高下嬢、折り返し地点での水を用意した平本氏、ゴール後のランナーに飲み物を用意した尾田氏がスタッフとなって、たかが5キロ、されど5キロを、夏の神戸の空の下で目一杯楽しんだのだった。

(実況:落合大祐/まとめ:山上修)


∞∞∞∞∞∞∞∞Runner & Staff Interview∞∞∞∞∞∞∞∞

●松田
全力で走りました。花岡さんにずっとつかれて緊張しましたが、最後には勝つことができて満足しています。どうもありがとうございました。

●花岡
あこがれの松田さんと一緒に走れて満足です。インドネシアの帰国から3か月で体調不十分でしたが次回には三輪"鉄人"も一緒に走りましょう。

●江本
残暑きびしき武庫川の岸べりで久々の地平線マラソンをやるとは、しみじみ人生の深みを感じることであった。私のように「23分ぐらいで帰る」と申告し、22分少しで走りきるのがランニング道の極みなのじゃ。

●落合
途中の犬が怖くてついハイペースで走ってしまいました。2kmで江本さんについていくことも断念。折返点で抜かれました。2強はともかく、江本さんはやっぱり早かった。どうもありがとうございました。

●榊原
ン年ぶりに5km走ってしまった。24分で走れると思ってなかったなァ。しかし何でみんなあんなに早いんだぁ!?

●長野
記念すべき20回目のマラソンに出場できて光栄です。東京からチャリンコで来たよりも今日の5kmは長くてきびしかった。やっぱりチャリンコ足とマラソン足は違うようです。

●宇都木
真夏は走らないと決めていましたが、ジョギングのつもりで参加しました。スートから皆スピードをあげたのでびっくり。ゴールのあとのビール2本!!ビールの為だけに走りました。

●北川
復路で一瞬めまいがしたのでスローダウン。5kmとはいえあなどってはいけない。太陽が厳しかった。

●近藤
3年ぶりに武庫川を走りました。武庫川から徒歩3分の距離に住みながら、川ぞいのロードは遠かったなぁー。走らなきゃと思い直した地平線マラソンでした。

●岸本
阪神の鉄橋が遠かった。30分近くも走ったのは久しぶりです。体は正直で、トレーニング不足がそのまま出てしまった。

●飯野
走るのは何年ぶりでしょうか。やはり5kmといえどもきつかった。最後に江本さんに走る秘けつを教えてもらいました。

 

山本(計測)
久しぶりにマラソンをしたかった。というのは本当です。しかし、この暑さの中で10年ぶりに走る勇気はありませんでした。今日から(もしかしたら明日から)次回の大会にそなえます。

杉田(計測)
本当は走りたかったのですが、長野さんがどうしても記録係をやってほしいというのでしかたなく走る事をあきらめました(なんてうそです)。地平線マラソンの賞金ほしかったな(←札たば!)。

◆平本(給水隊長)
地平線はよく夜飲む人達だけど、昼間にあれだけ走れるのだからすごい。

丸山純(撮影)
前夜の松田・花岡両氏のつぶしあい(ビールのつぎあい)をはじめ、火花を散らす心理戦に地平線マラソンの真髄を見ました。

丸山令子(撮影)
2時間位の長いコースを走るのだとばかり思ってた。

尾田(買出隊長)
ビールジュース買い出し部隊々長です。松田さん花岡さんの歴史に残る戦いを見れてうれしかった。

高下(撮影)
観戦者でした。5km、機会があれば、ぜひ...

山上(撮影)
この週末は地平線一色でした。ビデオ撮ったりパソコンいじくったりしましたが、実は武庫川の河原で涼しい秋の風に吹かれながら昼寝がしたかった私です。


∞∞∞∞∞∞∞∞The 20th Chiheisen Marathon Result∞∞∞∞∞∞∞∞

 

順位 ランナー 申告タイム 完走タイム 申告タイム差 申告タイム差
順位
01. 松田仁志 19分 19分37秒 +00分37秒 01
02. 花岡正明 22分 20分01秒 −01分59秒 05
03. 江本嘉伸 23分 22分12秒 −00分48秒 02
04. 落合大祐 33分 23分50秒 −09分10秒 08
05. 榊原英一 41分31秒022 24分35秒 −16分56秒 11
06. 長野亮之介 26分 24分58秒 −01分02秒 04
07. 宇都木慎一 40分 25分20秒 −14分40秒 09
08. 北川文夫 25分 25分48秒 +00分48秒 02
09. 近藤淳郎 41分30秒 26分46秒 −14分34秒 10
10. 岸本佳則 25分 28分08秒 +03分08秒 06
11. 飯野昭司 42分 35分27秒 −06分33秒 07

 


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