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“外来”、ギョ!
●「晴釣雨読」は釣りの師匠から戒められた最低限のルールだ。それが「晴釣雨釣」にルール破りが許されるのが6月1日である。アユ解禁。今年も雨の中での“竿おろし”だった。今年はスタートで躓いた。オトリ鮎を一本曳き殺し、一本はタモの手前で逃がした。残り一本となったところで手ごたえがあり、ようやく釣り自慢のネタに間に合った。釣り人は案外せっかちで好色だといわれる。山奥の源流で釣る私らのことを“山師”ともいわれる。世間体が悪い呼び方にも耐え、濡れ衣を着せられても釣りはやめられない。川岸で焼いたアユを冷めずに持って帰るには、エロ雑誌に包むのがいいと、教えてくれたのは釣り師だ。「間違っても、朝日新聞に包んではいかん。たちまち冷凍になるからな」
●川から釣り人が消えた。朝日新聞の小さなコラムがきっかけだった。「ブラックバスがメダカを食っている」。在来魚が激減したのは、外来のバスやブルーギルが稚魚を食うからだと、漁協ではバスの放流を禁止した。同時に、バス釣り人に「キャッチ・アンド・リリース(C&R)」(再放流)を規制した。
●「日本中がブラックバスになってしまう」。まるで黒船来襲のように危機を煽る。だが、在来魚の減少は、バスだけが原因ではない。護岸工事や埋め立てなどの環境悪化により、在来魚は生息しにくくなったほうが大きい。たまたま、フナたちが住みにくい環境がバスに好適だっただけである。外来魚による被害意識は「地球サミット」後、生物多様性に関する条約を金科玉条のように振りかざす原理主義者によって作られた可能性がある。本来、一度、口に針がかかったバスはキャッチ&リリースしたとしてもエサが取れずにすぐに果て、他の魚のエサになる。また、川の支線にすむバスは在来魚と棲み分け、移植されても15、6年で減少に向かう。
●怒りのバンブー竿をたたみ、バンブー・ケーナに持ち替えて夜の街に出た。ケーナはアンデスのフォルクローレのこと、経験やレパートリーは不足だが場数だけは踏んだ。
●昨年秋、国連で人間密輸「蛇頭」の講演を行った。外来の出稼ぎたちに労働許可を与えれば野獣(外国人犯罪者)の人間性は取り戻せると報告に喝采を得たのをいい気になって、外来文化(アメリカ社会から見て)である合気道を移植(?)させるために西海岸で国際有段者資格というのを取った。そして、その夜外来人が溜まり場としているフィシャーマンズワーフでボリビア人たちのフォルクローレ路上演奏に参加した。出稼ぎ(?)ニッポン人労働者へと在住人から得た22ドルのチップにみかじめ料を上乗せして40ドルをコヨーテ(中南米の蛇頭)に奪われた。
●コヨーテ蛇頭がいう。「外来の人間は、一時期増える。在来の労働者たちの仕事も奪うと警戒される。しかし、ある時点から増加に歯止めがかかる。そして、いつしか外来も在来も共存していけるように社会は調整されるものだ」。これが自動調節機能という自然が本来持つ摂理だそうだ。
●誰かが持ち込んだ(戦後米軍がスポーツ釣りのために)ブラックバスが日本の河川で増えると、ブラックバス自体が抑制物質というのを分泌して、産卵を自動的にとめる。やがて、日本の在来のフナや鯉などと共存していける自然界ルールを備えている。ライギョもそうだ。大陸から入って来た肉食魚だが、一時期、はびこったが今は日本の魚と共存している。外来魚、いや外来の人や文化に恐れることはない。自然の原則は人間のちっぽけな憂いを吹き飛ばす。C&Rでもなんでも釣らせればいい。それでなくとも釣り産業は300億円の減収で瀕死の状態だ。小学生で釣りに興味があるのはなんと8%以下である。釣り人悪人説を誰かが仕掛けているとしか思えない。
●話は違うが、日本では出産低下しているそうだ。女性が子供を産みたがらない。このまま低出産が続けば、1000年後には日本人が100人になると算出し危機意識を高めるバカな専門家がいる。日本人に、いま自動調節機能が働いているのだろうか。なにをそんなに日本人であることを抑制しなければならないのか。「バス害論」の流れに“逆らい”竿をさして見たくなった。[森田靖郎]
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安東浩正 |
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〒173-0023 東京都板橋区大山町33-6 三輪主彦方 〒160-0007 東京都新宿区荒木町3-23-303 江本嘉伸方 E-mail : / Fax: 03-3359-7907(江本) |
●菅原強さんから…埼玉県蓮田市発
菅原さん「トランスヨーロッパ・フットレース2003」5054kmを完走! 4月19日、44人のランナーがポルトガルのリスボンを出発。64日間かけてスペイン・フランス・ベルギー・ドイツ・ポーランド・ベラルーシ・ロシアの8ケ国を移動して6月21日にモスクワに到着した。日本人は5人が完走。地平線仲間の武石雄二さん、菅原強さんも完走した。菅原さんからの報告です。
◆毎日午前4時30分に起床し5時頃から朝食をとり、6時スタートと7時スタートの2グループに分かれて走る。私はもちろん全ステージとも遅い方の6時スタート組であった。64ステージの1日平均距離は79kmだが90km以上の日が10日、80km以上の日が20日もあり最長は99.6kmもあった(最短は45.1km)。時速6.0kmの制限は私が走ったステージレースの最速値である。約10km毎にエイドがあり携帯する荷物は雨具や小さなボトル1本と僅かな非常食程度で良いが、あまり遅くなると夕食にあり付けないことや万一のトラブル発生の恐れもあり、エイド以外は平均時速7.0km以上で走り続ける毎日であった。
◆コースは道路上にチョークで矢印が表示され、さらには交通標識のポール等にオレンジ色に黒で矢印が書いてあるステッカーが貼られている。これを見逃さず正しいルートを走らないといけないが、場所によってはかなり長い区間表示が無かったりして不安になることがしばしばであった。他に困ったのは食事が思うように食べられなかったことで、毎朝堅いパンにサラミとチーズでは日本人はパワーが発揮出来ず、後半は日本食が恋しくて恋しくてー。
◆泊まりは体育館が殆どでマットを敷いた上に寝袋泊まりで、シャワーもない施設が多かったので温水が出れば大喜び、旧共産圏ではトイレを含めかなり不便な思いをした。当日に宿泊場所が変更になったり走行キロ数が数キロ増減するなど、予想を越える出来事も多く戸惑いも多かったが総じて主催者側は良くやってくれたと感謝している。走力では上回る方が中途リタイアし、私が全ステージ完走出来たのはユックリしか走れないので、疲労が出てない前半からスロ−ペースで行ったこと。中盤に幾つか故障が発生して最下位が続いたが、結果的にこれが後半に気持ち良く走れることに繋がったような気がしている。超ロングステージレースはユックリ走るにこしたことはないことを身にしみてわかったのが、今回の収穫でした。
●新井由己さんから…2003.6.24…新潟県松之山町発…3度目の日本一周スタート!!《E-mail》
◆今月26日から、日本一周の取材旅行に出かけます。おでん紀行、レシピ取材に続き、これで3度目の一筆書き行脚になります。移動手段はもちろん原付きのプレスカブ。以前、雑誌の連載時にホンダから新車のプレスカブを提供してもらったので、夏場の峠道もちょっと安心です。
◆今回のテーマは、耕さず、草や虫を敵とせず、肥料や農薬も使わない「自然農」です。中心人物である奈良の川口由一さんのほかに、各地で実践している人たちを訪ね、学びの場に集まる若者たちの声を聞いてきます。旅のルートは天気とスケジュールを考えながらになりそうですが、おおざっぱなものとして、奈良をスタートして、四国→九州→中国→近畿→北陸→中部→東海→関東→東北→北海道という感じです。最後は小樽から新潟までフェリーを使う予定。旅の期間は9月下旬までを予定しています。
◆いったん帰宅して自宅の稲刈りを済ませ、天日乾燥させたあとに脱穀して、10月下旬にまた旅に出て、関西方面を少し回り、奈良の川口さんの稲刈りを旅のゴールにするつもりです。はたして、その間、どんな人に出会い、どんな思いをめぐらせられるのか、今から楽しみです。
●新井由己さんから…2003.7.1…三重県名張市発…日本一周の第2報《E-mail》
◆1泊2日の強行軍で松之山から天理に移動して、先週末をそこで過ごし、今は三重県の名張市にいます。赤目四十八滝の近くにある学びの場の小屋に連泊し、ファミレスで仕事をひとつ片づけたところです。今回は大雑把なルートと期間だけ決めて、いろんな出会いに身を任せてみようと思っています。さっそく数年ぶりに再会できた偶然もありました。
◆今日は雨なので、公園の屋根付きベンチ下で寝る予定。テントのグランドシートが水浸しになってしまって困ってます。寝袋も夏用のぺらぺらのやつなので、ちょっと肌寒い。準備不足がこういうところで響いてます。雨続きだと撮影が難しいので、早く梅雨明けしてくれないかなと思う今日このごろです。明日、和歌山から徳島へフェリーで渡る予定です。天気待ちで数日滞在することになるかも。
【地平線新刊情報】 『グレートジャニー 「原住民」の知恵』関野吉晴 光文社(知恵の森文庫)800円
【地平線新刊情報】 『ピリカ・モシリカヌー膝栗毛(下)』 私家版 1860円(送料込)
笑みこ(←字画悪いので漢字にしました)& スティーブ・シール
●今野明美さんから
…劇団コズミックシアターの「フリーランサー〜地雷を踏んだらサヨウナラ〜」(in大阪市立芸術創造館)を観て《E-mail》
◆劇を観に行って、銃を向けられてドキッとした。散歩に行って、走っている辰吉丈一郎氏を見て美しいと思った。私が住んでいるのは、スリルいっぱいのビバ!大阪である。
◆ふとしたきっかけで地平線会議と出会い、この公演のチケットを買おうと思ったその時チケットを譲り受けた。このタイミングの良さに自分でも驚いてしまった。一ノ瀬泰造氏に親近感を抱いたのは、彼が私と同じ「ボクサー好き」だったからだと思う。彼はただ『ヒト』の持つ強さに憧れ、そしてそれに圧倒され続け押し出されてしまっただけなのではないか、と感じている。アンコールワットの裾野にいたヴェトナムやカンボジアの人々と一ノ瀬氏の一片が劇の中にあった。壁に飾られている写真もパズルのように一つ一つ継ぎ合わせれば、彼と彼らを蘇らせてしまう。そこに、ここに共に生きた証が散らばって息をしているかのようだった。
『あいらんだあ』が通巻100号に 1978年の10月から25年がかり。7/6に八丈島で記念パーティも |
1978年の10月に創刊されたぐるーぷ・あいらんだあの機関誌『あいらんだあ』が、このほど(6月刊行分)通巻100号を迎えました。おめでとうございます! 7月6日には八丈島で100号記念パーティも開かれました。
http://homepage2.nifty.com/shimatabi/islander/
“リヤカーマン”永瀬忠志さん 南米縦断へ出発 |
神戸集会にも登場したあの“リヤカーマン”の永瀬忠志さんが、6月10日、大阪空港から出発しました。1年がかりでリヤカーを引いて南米縦断10000キロを歩きます。
「2003岩波ジュニア選書セミナー〈読む力・学ぶ力〉」 賀曽利隆さんが講師に... |
テーマ 世界を駆けるゾ!――バイクでめぐった国、出会ったひと/講師:賀曽利隆/日時:8月7日(木)14時から16時/場所:岩波アネックスビル3階 都営地下鉄神保町下車すぐ/参加費:1000円/対象:中高生(たぶん若者気分なら大丈夫だと思いますが、問い合わせてください)/定員:40名(先着順・定員になりしだい締切り)/問い合わせ先:「岩波ジュニア新書セミナー」係 電話03-5210-4215またはentry1@iwanami.co.jp/http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jr/event/index.html
【地平線新刊情報】 写真集『パキスタンの少数民族 カラーシャ―その生活と伝統―』わだ晶子 パキスタンの大手出版社、サンゲミール出版(Sang-e-Meel Publications)英文テキスト/英文キャプション(日本語訳冊子付き) 4800円(送料込み・限定300部)http://kalasha.fc2web.com/
渡辺一枝対談シリーズ“境界線を越えて”1 渡辺一枝+タシナ・ワンブリ |
◆1987年以来、チベットヘの旅を重ね多くの著作と写真を発表している作家の渡辺一枝さんが、「いまこの人の話を聞いてみたい、多くの人に聞いてほしい」と思う人と語り合うシリーズが始まります。その第1回目のゲストはタシナ・ワンブリさん。中央アジア騎馬民族の血を引く一人としてアメリカに生まれ、北米先住民族シャイアン族の養子となり、その自由と独立のための連動に参加してきた方です。マイノリティの立場から、渡辺さんと国や自然との関わり方などをめぐって語り合います。
日時:7月21日午後3時から(開場30分前)/場所:セッションハウス地下スタジオ(東京都新宿区矢来町158 地下鉄東西線神楽坂駅 神楽坂方面出口より徒歩1分)/参加資:1200円/申込み受付開始:7/7より・電話にて 03-3266-0461(10:00am〜7:00pm)
地図:http://www.interq.or.jp/tokyo/session/webRoom/waytoS.html
荒野の自転車野郎・冬期シベリア横断録 西牟田靖さん(33)がサハリンに渡ったのは、たまたま訪れた宗谷岬から島影を望んだのがきっかけ。恋に破れ、センチメンタルな旅の途中でした。気のむくままにサハリンの客となった西牟田さんは、とある山の中腹に一基の鳥居を訪ねます。日本領土時代の名残りであるその鳥居に「“国破れて山河あり”みたいな感じを受けたんです」と西牟田さん。 |
郵便振替 00100-5-115188/加入者名 地平線会議(手数料が70円 かかります) |
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