■岡村 隆 【OKAMURA
Takashi】
1948年、宮崎県生まれ。作家・編集者。法政大学卒。法政大学探検部OB。1969年、独立直後で鎖国状態のインド洋モルディブへ特例で入国、半年間の民俗調査ののちスリランカの密林遺跡探検に転じる。これらの経験が83年にノルウェーの探検家トール・ヘイエルダールがモルディブで発見した「太陽神殿」が、実は仏舎利塔遺跡であると確認する旅へ導く。帆船を駆っての諸島探検の様子は同年10月の「地平線会議」第48回報告会で発表したほか、著書『モルディブ漂流』(筑摩書房)に詳しい。90年には法大隊の顧問として学生7人とソ連崩壊直前のサハリンに渡り、ポロナイ川探検航下に成功。第132回報告会で報告する。93年にはスリランカ政府の要請により第6次の密林遺跡探査隊長を務め、第164回報告会で「スリランカの遺跡探検・研究25年」の成果発表を行う。
- 109 スリランカ[1993年]
1985年、南東部のジャングルで法大隊が発見した釈迦三尊像は、内戦の混乱もあって所在確認ができなくなっていた。93年、スリランカ政府の要請で、法大隊が再発見した三尊像は盗掘者によって無残に破壊され、頭部は削り取られていた。
- 110 モルディブ[1994年]
回教国モルディブの少年は5、6歳になると割礼を受けなければならない。割礼当日から数日間、人生最初の辛苦を乗り越えた少年は人々の祝福を浴び、島は祭りの雰囲気に包まれる。
- 111 モルディブ[1983年]
原始的な帆船「ドーニ」でモルディブの海を行く。魚を釣り、雨水を貯め、食料も自給しながらの旅だが、途中立ち寄る島々で手に入れる若ヤシの実は、単調な食生活に彩りを与えてくれる。
- 112 モルディブ[1983年]
船尾で帆桁柱につかまり、足で舵を取るモルディブの老漁師。精悍な顔のなかで光る目は驚くべき視力を発揮し、遥か遠方のカツオドリの群れを見つけては魚群の場所を察知する。