地平線HARAPPAのログから
地平線HARAPPA誕生の頃


スタートした直後の1ヵ月間のログです。誰も書き込んでくれないし(^^;、まだほんとに手探りの状態でした。当時はNIFTY-Serveのホームパーティ機能が貧弱で、1発言は20行まで、全体も200行までという制限のなかでやっていたわけです。現在は、1発言100行、全体も1000行まで拡張され、全国からアクセスしてくれる人も増えて、だいぶこの頃とは印象がちがってきています。


001 [90/04/12 15:43] PEG00430 丸山純 前口上
お待たせしました。本日ただいまより、《地平線HARAPPA》を開設いたします。
開設者である私自身が、これが初めての書き込みというありさまですから、いったいこれから先、どんな展開になるのか、かいもく見当がつきませんが、おもしろくするのもつまらなくするのも、みなさん次第。地平線会議の新たなコミュニケーションの場として、年報『地平線から』や月刊の『地平線通信』と並ぶ第3のメディアに育てていきたいと思っています。なにとぞよろしくお願いします。

《地平線HARAPPA》というネーミングは、言うまでもなく、子どもの頃に遊んだあの“原っぱ”をイメージしています。
ランドセルを放りだしていつもの原っぱに直行すると、必ず誰か仲間がいて、隠れんぼをしたり、キャッチボールをしたり、暗くなるまで楽しく飛び回っていたものですね。
ポケットから落ちて失くしたはずの宝物が、草むらの奥に転がっているのを半年ぶりに見つけたり、いつのまにか紛れこんでいた見知らぬ少年と、家に帰る頃にはまるで幼なじみのような冗談を言い合っていたこともありました。《地平線HARAPPA》は、そんなささやかな「発見」と「出会い」の場をめざしていきます。

それからもうひとつ。ご存じでしょうが、パキスタンの古都ラホールの南150キロぐらいのところにある古代インダス文明の遺跡も「Harappa」といいます。

それでは、《地平線HARAPPA》へお集まりのみなさん、地平線めざして、いざ。


002 [90/04/12 15:44] PEG00430 丸山純 前口上2
今のところ、具体的にどんなことをやりたいと考えているのか、頭のなかに渦巻いている内容の一端を列挙してみます。
 1)地平線フラッシュニュース……月1回発行の『地平線通信』では拾えないような新鮮ネタの紹介。出発・帰国情報や旅先からの便りの紹介。近況報告など。
 2)地平線スクラップブック……新聞・雑誌記事などから、毎月の「地平線的行動」をピックアップして紹介。年報にはとうてい載らないようなささやかな話題や裏話、楽屋落ちなども積極的にフォローしたいと思います。
 3)地平線インフォメーション……地平線会議関係の催しや報告会、打ち合わせ会議などの案内。地平線会議からのお知らせやお願いなど。
 4)地平線レヴュー……「地平線的」な本・雑誌・レコード・映画・演劇・コンサート・イベント・ショップ・食べ物などを肴にした“言いたい放題”。
 5)地平線バトル……テーマは何でも結構。制限時間なし、助っ人自由、待ったありのオンライン・デスマッチ。場外乱闘も大歓迎。ただし、凶器の使用は不可。
 6)地平線エッセイ……身辺雑感から宇宙創造の考察まで。ただし、一度に大量の投稿はご遠慮ください。なにしろ200行を超すと古いものから消えてしまうので。
 7)地平線Q&A……安宿・安チケット情報から、見どころの紹介、病気の相談まで何でも受け付けます。漠然とした内容では答えようがないので、具体的に。
 8)地平線ストリート……ちょっとした話題やゴシップ、自己紹介など、何でも。
とまあ、こんなところですが、それぞれ別々の会議室を持てるわけではないので、こういった内容の発言が入り乱れて、地平線的な雑然としたものになると思います。


003 [90/04/12 15:45] PEG00430 丸山純 前口上3
とくに心がけていきたいのは、ささやかな情報を大事にしていくということです。地平線会議の他のメディアではフォローできないようなものを、積極的に記録にとどめておきたいのです。
例えば、年報『地平線から』は、書店に並ぶ本として、地平線会議の表看板として、内容から体裁まで、ある社会的なレベルを超えることが要求されます。『地平線通信』はもっと気軽なメディアですが、郵送をするという大前提があり、紙面づくりにもある程度の制限があります。せっかく手元に集まった情報なのに、涙をのんで捨てざるをえない場合も少なくありません。
《地平線HARAPPA》にはそういう制約がありませんから、自由にのびのびとやっていくことができます。とくに一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションがおこなえるのは、大変な魅力です。
すぐに消えてしまうというデメリットはありますが、だからこそ気軽に、ごく日常的にな感じで、書いたり、意見を述べたりすることができるのではないでしょうか。構えずに気楽にやっていきたいと思います。みなさんの積極的な参加をお待ちしています。

★お願い
・ここに書き込まれた情報や意見を、『地平線から』や『地平線通信』に転載させていただくことがあるかもしれません。ご了承ください。折りをみて、発言をプリントアウトしたものを、回覧板などの形で発表していくことも考えています。
・ハンドルはどんなものでもかまいませんが、最初に実名も明らかにしてください。


004 [90/04/12 15:53] PEG00430 丸山純 自己紹介
★自己紹介 まずは、《地平線HARAPPA》の清掃や片づけ作業をつとめさせていただく私の自己紹介から。

 姓は丸山、名は純。生まれも育ちも、東京です。血液型はB。
 学生時代から、パキスタン北部に住むカラーシャ族という少数民族の村に通い続けています。これまでに8回、延べにして1年8ヵ月ほど村に滞在してきました。一時、広告代理店に勤務したこともあったのですが、長期の休みがとれないために辞めざるをえず、現在はフリー。もっぱら、広告のプランニングの仕事で飯を喰っています。
 地平線会議には創設の頃より参加し、今は中断している「地平線放送」というテレフォン・サービスを担当していました。第2回から「地平線賞」の実行委員長を引き受けています。
 住所は、東京都杉並区南荻窪X-XX-XX-XX。〒167。
 電話は、03-XXX-XXXX。
 使用マシンは、パソコンのFM16β+20MBHD。

 以後、よろしくお見知りおきください。


005 [90/04/13 12:38] PEG00430 長野亮之介さん、モンゴルへ出発
−−−−−地平線フラッシュニュース−−−−−
『地平線通信』のイラストでおなじみの長野亮之介さんが、明日4月14日、ジンギス・カーンの墓探しを目的とする「ゴルバンゴル・プロジェクト」の一員として、モンゴルへ向けて出発されます。
このプロジェクトは、東大の江上波夫教授を総隊長に、日本側36人、モンゴル側約 40人が参加して、ジンギス・カーン本人の墓を発掘しようという本格的な学術調査です。モンゴル側の資料によって、ジンギス・カーンの生まれ故郷であるモンゴル東部のヘンティー山地とヘルレン川流域の草原一帯が有力な候補地としてしぼられていて、7月末までの予定で探査・発掘をおこなう予定。乾燥アジアに強大な帝国を築いた遊牧国家の祖であるジンギス・カーンの墓の発見は、東アジア史研究のうえで重要な意味をもつものと思われます。
 長野さんは、この隊のベースキャンプ要員として参加するわけですが、《地平線HARAPPA》に次のようなメッセージを送ってくれました。
「今回はBC要員として主に“飯炊き”をやることになっていて、調査そのものには深くタッチしません。モンゴルの歴史や風土についての知識もあまりありませんが、なかなか普通には訪れることができない土地に行けるという貴重な機会ですから、自然や人々の暮らしを、新鮮な目で絵や文章などの記録に残していきたいと思っています」。
 なお、このプロジェクトの総務・コーディネート役の江本嘉伸さんは、すでに4月7日に先発して、モンゴル側との最後の折衝と準備に奔走している模様です。(丸山)


006 [90/04/13 22:31] PAF01735 宮本 地平線はらっぱ開設おめでとう
 とうとう開きましたね。近山君が地平線フォーラムをつくろうといいはじめてから1年半近くたったけど、人が集まってくるまでには、まだそのくらい掛かるでしょう。

 いま白根君と連絡がつきました。本を送ってくるそうです。手にあまるものは白根君から送ってくれるといっていますが、気の毒だしなあ。反響の大きいのはありがたいけど、困るのは困るんです。その内文句がきますしね。

 HPにはいってみます。いま誰々がアクセス態勢にあるのですか?
 編集会議のこと承りました。

 DOWNコマンドを使って会議室から下ろすときは、BPL を使うのはも当然として、
>DOWN 1-100 というように、100 単位で下ろすのが手頃です。ENJOY MS-DOSなどやアンケートなどだと200KB を越しますが、普通は100-150KB で収まりますから、それほどの時間にはなりません。後の扱いも楽ですしね。

 なお、前々から『あるくみるきく』のフォーラムをつくれと煩い人がいます。前に江本邸につれていった波田野直樹という武蔵工大山岳部のOBでFOAUをいっしょにつくった人です。つれてきていいですか?

007 [90/04/16 03:01] PEG00430 祝。武田君入会。メッセージ転載。
『地平線通信』の編集・入力・発送で頑張ってくれている武田君が、土曜日の夜についにNIFTYに入会しました。祝!(これで原稿のやりとりが楽になるぞ!)ただしオンライン・サインアップだとホームパーティ機能は利用できないそうで、この《地平線HARAPPA》には入ってこれません。というわけで、彼からMAILでメッセージを貰い、ここに転載いたしました。『通信』で忙しいだろうけど、この《地平線HARAPPA》もよろしく。楽しく盛り上げよう!
>武田 力 TAB00165 04/15 22:20
>題名:丸山さん、よろしくお願いします。
>丸山純様
>モデムは手に入ったけどどうしたらいいのか途方に暮れていたところへ、丸山さんの
>アドバイスのおかげで、Nifty-Serveに入会できました。今まで敢えて手
>を出さなかったパソコン通信でしたが、やはりおもしろいのでのめりこむのが心配で>す。
>今後ともよろしくお願い致します。  武田力


008 [90/04/16 20:24] PEG00430 地平線のお姉さん、大学生を一喝
4月15日(日)の明け方4時頃、奥多摩駅近くの氷川キャンプ場で、夜通し騒いでいた大学生のサークルを、地平線の女性4人が一喝して黙らせるという事件が起こった。
杉田晴美さんによると、まず夕食の調理で薪を燃しているときに、近くのバンガローの窓から顔を出した若い男たちが、「こっちへ入っておいでよ」とナンパをかけてきたという。「せっかくキャンプに来ているんだから、外に出て一緒に酒を飲もうよ」と誘うと、「川原にいる後輩たちに女の子と一緒にいるのが知れると恥ずかしい」と尻込みする。最初は「山岳部」と名乗っていたが、どうも様子が変なので聞くと「成蹊大学キャンピングツアークラブ」の新人歓迎合宿に来ているOB・上級生連中なのだそうだ。
さて夜も12時を過ぎた頃、なんともうんざりするような「儀式」が始まった。先輩たちが陣取った2棟のバンガローに、新入生が順番に一人ずつやってきては、「誠に僣越ながら、ワタクシは、東はハーバード、西はケンブリッジと並ぶ成蹊大学に入学いたしました○○でありま〜す」などとドアの前で名乗りを上げる。「声が小さい!」と室内から怒鳴られてはこの自己紹介を繰り返し、ようやく入室を許されると、今度は中で春歌を歌ったりして「芸」を見せる。川原でテントを張っていたバイク野郎たちが黙らせようとしたが、明け方の4時になっても一向にやめる気配がない。
ま、学生だし、と最初は大目に見ていた4人も、ついに堪忍袋の緒が切れた。日頃はにこにこ笑顔がトレードマークの杉田嬢が、やおら「あんたたちだけのキャンプ場じゃないんだからね。いい加減にしろ!」と一喝。すると、ピタッと騒ぎは静まった。軟弱な「キャンピングツアークラブ」なぞ、バイクで日本一周のキャリアを持つ杉田嬢と勝負になるわけはない。しかし後輩に対する面目、丸つぶれだよな、これじゃ。(丸山)


009 [90/04/16 20:25] PEG00430 本栖湖で「モッシー」と接近遭遇
富士五湖のいちばん西に位置する本栖湖は、五湖のうちでも最も観光化が遅れていて、訪れる人も比較的少ないが(昔は樹林が岸辺まで迫り、本当に神秘的な湖だったんだけどね)、ここでネッシーならぬ「モッシー」に接近遭遇したという釣人がいる。
各地でスポーツフィッシングを実践する一方で、魚を卵から浮化させて放流するなどの活動もしている金井宏さんが、その人。3年前、ボートで本栖湖の湖上に出ていたところ、突如として水面が盛り上がり、水面下で何か大きな物体が移動しているのが感じられた。その物体はボートの周囲をぐるぐると回り、やがて遠ざかったが、どう考えても大きな生き物が泳いでいるとしか思えなかったという。天気も良く、湖が荒れたということもないそうだ。

以上は、杉田晴美さんが直接金井さんから取材した話である。これまで『地平線から』にずいぶんと「怪獣探し」の記事が載っていたが、実際に体験したという本人に取材できたのは、これが初めてではないかと思われる。杉田さんによる詳報を期待したい。
なお本栖湖は、最深130メートル近くと、五湖のうちでも飛び抜けて深く、最深部の水温はかなり低いのではないかと察せられる。夏でもちょっと潜ると冷たい水の層にぶつかるため、水の事故も少なくない。


010 [90/04/17 15:35] PEG00430 ハワイの瀬口さんより絵葉書が届きました
『地平線通信』で毎月、報告会の記録を書いてくれている瀬口聡さんから、本日(4月17日)次のような文面の絵葉書が届きました。
 Aloha!  ハワイに来ています。
 日本人観光客を横目でみながらのサイクリングです。
 しかしホノルルを離れると、そこは英語の世界。
 なかなか思うように話が出来ません。
 初めての外国、大変なものになりそうです。
 今はオアフ島の北、ハイレワという町にいます。
オアフ島の地図と似顔絵(本人?)が描かれています。(結構うまいね。)裏の写真は、ビッグウェーブに今にも巻き込まれそうなサーフィン乗り。
Hawaii's NORTH SHORE というキャプションが、ちょっと地平線的じゃないような気もしますが……。
日本縦断中に竹馬まで使ったという瀬口さん、新婚旅行のメッカで、さてさてどんな旅を続けていくことやら。たのしみです。(丸山)

017 [90/04/29 16:26] PEG00430 盛況だった4月の地平線報告会(27日)
●4月27日の地平線報告会は、のべ5年にわたってサハラで過ごしてきた福井慶則さん(イスラム名:ユースフ)においでいただき、砂漠に生きる遊牧民と衣食住を共にして長期間暮らした貴重な経験を、スライドを上映しながら話してもらいました。
●何十頭とラクダを連ねて砂丘を進んでいくキャラバン。広大な砂の海のなかにぽつんと存在する井戸。間近に迫りくる砂嵐。どの写真も、我々がいだくロマンチックな“砂漠”のイメージそのままの美しいものなのに、福井さんの話はそれとは正反対に、なまなましいリアリティに満ちています。ラクダに逃げられたら死ぬしかないというサハラの現実の厳しさが、さりげない言葉の端々に感じられて、深い感動を覚えました。彼は話がうまいので、おもしろおかしく聞いてしまいがちですが、生まれながらの砂漠の民とここまで“対等”に付き合っていくことができるまでには、言葉では言い表わせないような地味な努力を、肉体的にも精神的にも積み重ねてきたのでしょう。
●後半は、上温湯隆の本との出会いをはじめ、自身の経歴をざっと紹介してもらったあと、会場からの質問を受け付けました。遊牧社会の今後や各国で進む定住化政策、地に足がついてない援助のことなど、デリケートな問題のひとつひとつにも福井さんが簡潔かつ的確に答えてくれたため、ひじょうに充実した内容となりました。
●欲を言えば、彼が付き合ってきた遊牧民の一人ひとりのライフヒストリーなども少し語ってもらいたかったし、イスラム教徒になった経緯なども、もっと深いレベルでの話を聞いてみたかったのですが、これはあのような場では無理ですね。5年にものぼる体験をまとめるのは並大抵のことではありませんが、現在ワープロで手記を書いているそうなので、それに大いに期待したいと思います。(丸山)


019 [90/04/29 16:30] PEG00430 白根全さんの資金源、判明
●年報編集長の白根全氏は、イタ車(あのアウトビアンキ)に乗り、トライアスロン用の自転車で都内を走り(バイクは今はどうでしたっけ?)、飛行機のライセンスまで所有しているという、金のない地平線のメンバーのなかにあって、ひときわリッチに見える志向の人だが、その資金源がこのほどつきとめられたので、ここに報告しておく。
●なんとそれは、南米に彼が所有する、世田谷区ほどの広さ(!)の「土地」なのである。場所は、ペルーとブラジルとボリビアにまたがる、無法地帯。ここを訪れたときに日本人の血が1/16流れているという怪しげな土地のボスに会い、ここは逆らってはいけないと思って「いい場所ですね」とゴマをすったところ、「それなら、この川からあそこまでをお前にやろう」ということになってしまったんだそうな。おまけに、この土地には、金が出る!
●困ったことに、現在このあたりは国立公園に指定されようとしているらしく、そうなると、彼は自由に金を採ることができなくなるばかりか、立ち入りさえも制限されてしまう。ちゃんとした手続きのもとに手に入れた土地ではないので、もちろん所有権は主張できない。
●今後、彼が取材と称して海外に出かけるのも、おそらく土地を見張り、金を日本に持ち帰るためだと思われる。我々は、彼が訪れたことにしている取材先の話などに耳を貸さずに、堂々と金の分け前にあずかれるよう、主張すべきであろう。(丸山)


021 [90/04/29 18:12] TAB00165 武田:初登場です
 会社の慰安旅行で猿ヶ京温泉へ行ってきた。宴会と麻雀で騒いだ翌朝、群馬サイクルスポーツセンターで汗を流した。ここは、ふつうの遊園地なら電気で動く乗り物が、『サイクル列車』とか『ローリングマウンテン』と言ったような名前で全てペダルで漕ぐようになっている。4人用タンデムや手漕ぎ自転車がある『変わり種自転車広場』なんて言うのもあるし、登り坂の勾配が最大8%の『6kmサーキット』は地平線マラソンよりつらかった。
 温泉ぐらいしかないと思っていた群馬県?の広い土地を利用したこんな施設は、最近すたれてきた巨大迷路の後がまにいいんじゃないかと思った一日だった。
(君津の巨大迷路を20分でまわって賞状をもらったのはもう3年も前の話です。)


028 [90/05/05 15:17] PEG00430 杉田晴美:歩行者天国で年報を売ってきた−1
春の嵐吹き荒れる4月30日。
表参道で本を売るんだという白根さんに感動した私は、人であふれる歩行者天国の片隅に座りこんでる姿を発見、合流した。スローガンは「読んで泣け!」。メンバーは、白根さんのほかに中林さん、滝野沢さんに私。中林さんはリキが入っている。このために作ったというカセットテープをラジカセにセット。スイッチをいれたらぶっとんだ。怪しげな民族音楽がろうろうとながれる。アフリカ音楽あり、ブラジル、ブルガリア、はたまたヨーデルまでとびだした。けげんそうな顔で私たちを見ていく通行人。その視線がたまらなく快感だ。しかし歩いている人をぼーっと観察するっていうのは、実に楽しいものである。むこうとこっちの目があった瞬間がたまらない。
そうこうしてるうちにふと立ち止まる若者一人。ぱらぱらと見ながら「いいなあ」と言って下さる。やった、売れた、と思ったら、その人財布を覗いて「欲しいんだけど、カネがない」。1000円しか持ってないのに表参道歩くなよ! でもしっかりと購入の仕方をメモってたから、彼はきっと買ってくれるであろう。大きな収穫である。ここに座りこんでいたのがムダにならなかった!!私たちは大いに気を良くしたのだった。
「しかし貧乏にんしか寄ってこんのかな」。そうこうしているうちに、地下足袋がやけに似合っている怪しげな外人が現れた。ラジカセを指差して親指を立てる。そのうち曲にあわせて踊りだした。ますます通行人の視線が冷たくなった。その外人は、踊りながら人ごみに消えた。        (続く)

029 [90/05/05 15:18] PEG00430 杉田晴美:歩行者天国で年報を売ってきた−2
強風吹き荒ぶなか、カセットからはいつの間にか、年代物のブルースが聞こえていた。
「このエレキの音がたまんねえな」といいながら、中林さんと白根さんは妙に盛り上がっている。滝野沢さんはまもなくスペインに行くとかで、『地球の騙し方スペイン編』を読みふけっている。風はますます冷たく、通りを行く人の数もまばらになりはじめたころ、ふと立ち止まる男女二人。男は恰幅の良い60代ほどの社長風、女は若いギャル。社長は本を手にとって、ギャルはフンと言った感じで先を急ぐ。「おい、おまえ読むなら買ってやるぞ」。「読まないわよ」。ギャルは冷たく言い放った。「そうかぁ」。
社長はむなしく本を置いた。白根さんが食い下がる。「お父さん、娘さんにどうか……」。社長は行ってしまった。「しまった、娘じゃなかったんだな」。「そうですよ、あれは愛人ですよ、きっと」。でかい魚を逃がしてしまった。
結局本は売れなかった。でもおもしろかったから、いいのである。
           5月1日 杉田晴美 PS:白根さんは、連休中はやるぞと言ってます。
   私は3・5・6日とでかけるので参加できなくて残念だ。


039 [90/05/13 11:42] PEG00430 神田道夫さん、エベレスト越え断念
−−−地平線フラッシュ−−−
●朝日新聞の10日朝刊、および13日朝刊によると、熱気球によるエベレスト越えに挑んでいた2つのチームが、それぞれ今回のチャレンジを断念した模様である。
★神田道夫さんの方は、9日の早朝にチベット領から一旦離陸したが、風向きが変わったためにエベレスト越えは無理と判断して、1時間後に着陸。その際に気球が火災を起こしてしまい、再挑戦は絶望的だと見られている。怪我人も出たようで、4月27日にチョー・オユーに登頂した学習院大のパーティが救援にあたっている。
★ネパール側から飛び立つはずだった英・スウェーデンの2人組の方は、記事の文面でははっきりしないが、実際の飛行はしなかったようだ。今春はジェット気流が見られないため、秋まで計画を延期することになったという。    (丸山)


040 [90/05/13 11:44] PEG00430 米ソ中合同隊ら、チョモランマ登頂成功
−−−地平線フラッシュ−−−
●朝日新聞11日朝刊より、山の記録3つ。
★ゴミだらけのチョモランマ(エベレスト)を「清掃登山」するとして話題になっていた米ソ中合同の登山隊が、登頂に成功。7日から10日までの間に、合計20人が頂上に立つという、新記録を打ちたてた。これまでの記録は、86年にノルウェー隊が作った17人が最高。なお、クリーン作戦の方がどうなったかは、まだ報告がない。
★エベレスト初登頂者のヒラリー卿の息子・ピーター氏が、10日にニュージーランド隊の一員としてエベレスト登頂に成功。頂上から通信衛星を通じて父親と交信し、ヒラリー・ステップという山頂近くにある氷の尾根を登る難しさを語りあったという。親子2代の登頂も、世界初。
★世界第6位の高峰チョー・オユー(8201m)にチベット側から挑んでいた学習院大山岳部は、4月27日に2人の隊員と2人のシェルパが登頂に成功。



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