The Chiheisen News 98



■千葉工大隊、報告書『ナンガパルバット』出版
1995年の北面ルートからの登頂の記録。写真満載で2500円。

ナンガパルバット表紙1997年5月の第210回地平線報告会に登場していただいた坂井広志さんが中心となって編纂した、千葉工業大学山岳部による95年のナンガパルバット北面ルートからの登頂の記録が、このほど成文堂から出版されました。『ナンガパルバット Keeping tryst with Nanga Parbat』。A4レターサイズ(変形)、布貼りのハードカバーの装丁も立派ですが、ページを開いてみるあちこちにと美しいカラー写真が満載されている、豪華な内容です。これで定価2500円[本体2381円+税]とは、ほんとうに驚きました。

仲間うちの楽屋落ち話に終始するふつうの登頂報告書とちがって、この『ナンガパルバット』は、世界に通じる登山報告になっています。準備やキャラバン中の出来事などにもほとんど触れずに、いきなりベースキャンプを設営するところから記述が始まるのが、とても印象的。しかもここで、“魔の山”と呼ばれるこの山の登頂にかけた先人たちの歴史をふりかえりながら、自分たちを巧みに自己紹介してしまいます。

その後は、写真をふんだんに使いながら、登山活動のポイントを手際よく再現。そして最後に隊員のプロフィール紹介や手記などがまとめられ、肉声が聞けるようになっています。

坂井さん夫妻1895年のママリーに始まるナンガ登頂の年表や、折り込まれた地図やルート図を引き出して本文を読みながら登攀の模様をたどれる工夫、写真や本文に付けられた英文のキャプションなど、資料性も高いのも、特筆すべき点。さらに初登頂者であるヘルマン・ブールの夫人への坂井さん自身のインタビューも、とても興味深く読みました。
[→7/23・地平線報告会の二次会にて。できたてほやほやの本書を手にする坂井さんご夫妻]

お問い合わせは、坂井広志さんへ。
東京都豊島区南池袋2-47-4 (株)池袋松屋気付
tel : 03-3989-0502 fax : 03-3987-1815
Email :

ニュース一覧へ】



to Home
to News Index
Jump to Home
Top of this Section