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関野吉晴さんの近著、『グレートジャニー 「原住民」の知恵』が、光文社知恵の森文庫から出版されます。この春に出たちくま新書の『グレートジャーニー――地を這う [1]南米〜アラスカ編』は、旅先から原稿を送った新聞の連載をもとに、写真を中心に編まれたものですが、今回は完全にゼロからの書き下ろし。足かけ10年にわたる長い旅を終えて、いま行程をじっくり振り返ってみたとき、なにが見えてきたのか。
「はじめに」に書かれた、なぜ先住民ではなく「原住民」という言葉をタイトルにもってきたのかの説明に、関野さんの意気込みがびしびしと伝わってきます。旅の道順をたどるのではなく、あらためてテーマごとに再構成したことで、関野さんがこの旅で“得たもの”がよりくっきりと現われてきたようです。「書きたいことはみんな書き込んだ」という、グレートジャーニーの総決算。写真もかなりの数、掲載されています。編集・構成担当は、サポーターとしてグレートジャーニーを支えた白根全さん。昨年3回続けて登場していただいた地平線報告会で聞いた数々の印象的なエピソードの数々が、ふつふつとよみがえってきます。[丸山]
本体価格:\800 出版:光文社(知恵の森文庫) ISBN:4-334-78224-8 発行年月:2003.7.15 |