The Chiheisen News 2003-12

■コズミックシアターが「フリーランサー 」を再演
一ノ瀬泰造の生きざまを舞台化。6/27〜29、大阪の芸術創造館で


大阪の劇団「コズミックシアター」の岡田真由美さんから、6月末に公演する「フリーランサー〜地雷を踏んだらサヨウナラ〜」の案内をいただきました。73年に内戦下のカンボジアで消息を絶った報道写真家の一ノ瀬泰造さんの生きざまを舞台化したもので、2000年5月に初演。2001年にも再演され、大きな話題を呼んだそうです。今回はさらに手を加えての再演となりました。

また、『地平線の旅人たち』の発行を引き受けてくれた窓社から、一ノ瀬さんの母親の信子さんが編集された写真集『もうみんな家に帰ろう!』も発売。さらに6月17日から新宿のニコンサロンで写真展「戦場からの手紙」が、7月と11月にはZero Projectによる公演と写真展が、また今秋にはチーム・オクヤマ製作、中島多圭子氏によるドキュメンタリー「TAIZO」も完成するそうです。9.11以降、テロと戦争の時代に突入したいま、一ノ瀬泰造さんの生涯と作品が再び注目を集めています。

なお地平線会議では、『地平線から・1982』(1983年発行・残数部あり)に、浅田恒穂さんによる「アンコールワットに消えた青春・カメラマン一ノ瀬泰造の生と死を追う」と、行動の記録として「一ノ瀬泰造の遺骨を発掘」の記事を掲載。また、『地平線から・Vol.7』(1987年発行・絶版)の行動の記録に「一ノ瀬泰造の半生が映画化」の記事を掲載しています。それがご縁で、今回、岡田さんのほうから案内をいただきました。

 【コズミックシアター第12回公演】
フリーランサー
〜地雷を踏んだらサヨウナラ〜
作・演出=ジャニス・A・リン
 

《原作》一ノ瀬泰造
《作・演出》ジャニス・A・リン
《キャスト》笠川英雄/岡田真由美/金城由紀/中橋成郎/竹内みどり
      守谷鉱一/佐藤寿/山下幸樹/武田秀子/堤万紋
      表旭(劇団アルファー)
      金子順子

《日時》2003年6月27日(金)〜29日(日)
     27日(19:30〜)
     28日(15:30〜/19:30〜)
     29日(13:30〜/17:30〜)
      (開演の1時間前より整理券を発行。開場は開演の30分前)

《場所》大阪市立芸術創造館
     大阪市旭区中宮1-11-14
     06-6955-1066

地下鉄谷町線「千林大宮」駅下車:3・4番出口より南西へ徒歩10分

京阪「森小路」駅下車:西出口より西へ徒歩10分

市バス大阪駅前駅より、幹33・幹78系統「新森公演」行きで約40分:
「旭区役所区民センター前」下車すぐ


《料金》前売り 2500円/当日 2800円

《前売り取り扱い》チケットぴあ Pコード予約番号 471-719
         受付電話番号 0570-02-9966

《前売り取り扱い・お問い合わせ》コズミックシアター
                Tel/Fax 06-6933-0617
                〒536-0014
                大阪市城東区今福南4-10-4-1116
                http://www5f.biglobe.ne.jp/~cosmic/
                


《写真集》
『もうみんな家に帰ろう!・26歳という写真家・一ノ瀬泰造』
   息子の遺志と夫の願い、そして母の執念が結実して完成した
   一ノ瀬泰造の写真集
編:一ノ瀬信子
発行日:2003年5月20日
判型:A5版/ソフトカバー・280ページ/モノクローム
定価:3200円(税別)
発行:窓社 新宿区百人町4-7-2 03-3362-8641
http://www.mado.co.jp/
※劇場受付にても販売します


《今なお続く一ノ瀬泰造へのまなざし》(関連イベント)

一ノ瀬泰造写真展
2003年6月17日〜30日/新宿Nikon Salon

朗読劇+写真展「靴と言葉」
ZeroProject/山本健翔演出
2003年7月22日〜8月3日/ギャラリー・ルデコ(渋谷)

演劇「ROAD〜地雷を踏んだらサヨウナラ〜」
ZeroProject/久松真一演出
2003年11月20日〜23日/東京芸術劇場小ホール

映画「TAIZO」チーム・オクヤマ製作/中島多圭子監督
2003年秋公開予定/国際イメージフォーラム予定


「地雷を踏んだらサヨウナラ」から30年
「今」を生き抜く若き写真家の魂が甦る!

1970年初頭、ベトナム戦争末期。激動のインドシナ半島を、フリーのカメラマン「一ノ瀬泰造」が駆け抜けます。26歳、全く無名のカメラマンが、カンボジアの密林に消えてから30年。何度彼の熱い魂は甦り、その生き様が、青春が、人を引き付け、大きな感動を呼び続けるのか・・・・。

カンボジアは、今、30年続いた内戦がやっと終わり、復興に懸命です。しかしその現状は、貧困、病気、幼児売買、そして膨大な地雷被害・・・。余りに悲惨です。その美しすぎる大地に立った時、その惨状に、平和な国からきた日本人は、只、無力感に打ちのめされ、立ち尽くすのです。そして戦争の現実に「何が、私に、出来る・・・」と自身に問いかけるのです。

一ノ瀬泰造は、ひたすら、シャッターを切りました。シャッターの向こうに、一人のジャーナリストとして、一人の人間として何を見たのか。震えながら、泣きながら、彼は、決して目をそらさずに、戦争の地獄絵の向こうに、自らが、求める真実を見出していきます。戦火を生きる人々から、生命がけで、生きる事の本当の意味を学びます。一ノ瀬泰造は、まさしく、「人間の存在の証明」をかけて走り抜くのです。

「フリーランサー 〜地雷を踏んだらサヨウナラ〜」はその生き様を、その青春を見事に描きます。2000年5月、初演。ホールには一ノ瀬泰造の御両親自らがプリントされた代表作を数多く展示。彼のヒューマンな写真は、舞台と共に大きな反響を呼びました。

2001年10月世界がテロに震撼、戦争への危惧が高まる中、大阪から佐賀県武雄市(一ノ瀬泰造の故郷)へと、特別公演。世代を越え、圧倒的支持を頂きました。今回、改めて手を加え、高い完成度を求め、上演に踏み切るのは、この作品の深さと共に、時代の警鈴を感じてやまないからです。

この30年、一ノ瀬泰造の御両親は、息子の求めた物を追いつづけました。父、清二氏が2001年2月に他界した後も、母、信子氏は、一人、暗室に篭り、息子が本当に求めたものを焼きつづけました。写真集「もうみんな家に帰ろー!・26歳という写真家・一ノ瀬泰造」は5月20日、ついに刊行されます。

6月17日より新宿Nikon Salonにて写真展。そして6月27日より芸術創造館(大阪)にて「フリーランサー 〜地雷を踏んだらサヨウナラ〜」上演と共に写真展の開催。7月、11月と「Zero Project」による公演と写真展。又、チーム・オクヤマ製作、中島多圭子氏によるドキュメンタリー「TAIZO」も完成します。

世界が新たな戦争に動き出した今、泰造の魂が、又、駆け抜けるのです。


to Home
to News Index
Jump to Home
Top of this Section