The Chiheisen News 2003-10

■安東浩正さん、冬季シベリア自転車単独横断に成功
5月6日午後8時、ついに太平洋に再会。250日がかり、1万4927kmを走破!


5月10日、地平線会議宛てに、冬期シベリア自転車横断に挑んでいた安東浩正さんから、無事に横断に成功したと、ローマ字打ちでメールが入りました。おめでとう!!! 昨年の8月20日に成田を出発して、はや9ヵ月。ついにやりましたね。じつに味わい深い文章です。帰国されたら、ぜひぜひ地平線報告会で話を聞かせてもらいたいと思います。

250日、1万4927キロ!!
冬季シベリア自転車単独完全横断終了

シベリアのサイクリスト安東浩正、ついに太平洋に到着しました。5月6日午後8時(現地時間)にマガダンの町郊外のベショーラヤ湾において、サンクトペテルブルグ以来230日ぶりに海に出ました。太平洋のオホーツク海はまだ海岸付近は凍結していて大雪原がずっと続いていました。そのまま最後のキャンプを海上の氷の上で過ごしました。

北極海のムルマンスクを9月に出発してから250日、1万4927キロの長い長い旅でした。その間に1ミリだって車やほかの乗り物に頼っていません。大西洋に通じるバルト海フィンランド湾サンクトペテルブルグから運んできた海水を太平洋に通じるオホーツク海に戻して旅は終わったわけです。大西洋から太平洋まで完全横断にすることができました。 

海が近づくにつれて、長かったいままでの出来事を思い出すとともに、なんだか悲しくもなってきました。ひとつの旅を終えるというは、ひとつの小さな人生を終えるようなものです。だから、悲しいのです。海上の氷の上に降り立った時、嬉しさより悲しみのほうが大きかったのです。

距離も時間も長かった旅ですが、いろいろなこともありました。凍ったバイカル湖、レナ川、高くそびえる山々、タイガの深い森・・。どれも圧倒的な美しさでした。また、マイナス40℃以下の厳しい寒さ、雪に埋もれたトレース、凍った氷に空いたクラックなど自然の厳しさもありましたが、いまとなっては懐かしい思い出です。

シベリアではその自然の美しさや厳しさだけでなく、人々との出会い素晴らしい旅でした。ホスピタリティーに溢れる少数民族の人々、村々ではいくつもの学校を訪れ子どもたちに話をしてきました。沢山のドライバーや人々が私の旅を支えてくれました。ローマ字では読みにくいので、ここでは多くは書きませんが、また帰国してから報告したいと思います。

今後の予定ですが、このマガダンは陸の孤島です。脱け出すには飛行機か船しかありません。カムチャッカに飛びたかったのですが、フライトがなく、なんとか貨物船をヒッチハイクできないか、と考えてます。あるいは、ハバロフスクに飛び、ウラジオストックまで自転車で走るかもしれません。日本に帰るのは、6月下旬になるのではないか、と思います。(安東浩正)

安東さんのウェブサイトで、計画の概要やルート地図をぜひ見てください。
http://www.tim.hi-ho.ne.jp/andow/siberiaplan/index2.htm



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