昨年末に刊行されたエミコさんの著書が、初版をほぼ売り切り、再版されることになったそうです。よかったですね。私もそうでしたが、出版社側に混乱があって、予約をしたのに届かない例もあるようです。鹿砦社の黒田さん（）に確認してみてください。
ウェブサイトですでに読んでいましたが、冒頭に置かれた、ちょうど1年前の抗ガン剤注入手術の前夜に病室で書かれた文章が、やっぱり胸を打ちます。あんな状況で、「只今、別世界を冒険中!!」とあの文章を結べる力は、やっぱりこれまでの旅で得たものなんでしょうか。常に前へ前へと進もうとする勇気と明るさに、こちらが元気をもらいました。その後の闘病記も、ウェブにある生の日記ではなく、原稿としてあらためて書き直されたようで、より深く自分をみつめる視点が打ち出されて、まったく新しい作品となっています。
後半の旅日記の部分、何度か雑誌で読んでいましたが、こうしてひとまとめになってみると、10万8600キロ、77ヵ国、11年間にわたる旅の重みがずっしりと感じられますね。最後の部分はまだ雑誌には掲載されていないはずなので、今回の書き下ろしのようです。毎日の日記があるそうですから、世界一周を終えたあとでいいから、あらためて1冊の作品としてまとめてください。
表紙もそうだけど、口絵のスティーブさんの写真も、素晴らしい。いまは「エミコさんの夫」としてしか知らないけれども、彼が一人の旅人としてなにを感じながら、どんな思いでこれだけの旅をしてきたのかもじっくり聞いてみたいと思いました。地平線報告会で、ぜひ。［丸山純］
書名：ガンを越えて、めざせ地平線!!
発行：鹿砦社
販売価格：1,200円(税別)
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