平尾和雄さんの夫人、スルジェさんが亡くなって、1年がたちました。安らかな顔にお別れをしてから4つの季節がすぎたと知り、月日の巡るのは早いものと痛感します。
さて、スルジェさんの没後、平尾さんは30年近く前の彼女との出会いから、昨年のスルジェさんの死までの2人の軌跡を400枚あまりの原稿にまとめられました。講談社ノンフィクション賞を受けた旧作『ヒマラヤ・スルジェ館物語』の姉妹編ともいうべきもので、若き日の平尾さんの旅立ちから、悲喜こもごもの日常、異様な事件、そしてスルジェさんとの別れまでが淡々とした味わい深い文章で綴られています。私たちは、スルジェさんの記憶を形にとどめ、平尾さんの新たな生活への第一歩としていただくために、ぜひこれが本として出版されることを願っております。みなさまにとっても、この本がスルジェさんや平尾さんとの出会いを思い起こすよすがとなることと確信しています。さらにお2人とは直接面識のなかった読者も、文化をこえたこんな不思議な出会いがあることに心が洗われることでしょう。
ところがここに大きな障害があります。近年の出版事情がこれまでになくきびしいことです。何百万部も売れる本が続出していることはみなさんもご存じのことと思います。その一方で、従来なら少部数とはいえ一定の需要が見込めたタイプの書籍が本当に売れにくくなっているのです。今回、ポカラのスルジェ館の利用客でもあり、個人旅行関係の雑誌や書籍の出版を手がけ、自らも多数の著書をもつ蔵前仁一さんに出版の協力を仰ぐことになりましたが、零細出版社の経営の実状はきびしく、最低必要部数を確実に突破することが求められています。
そこでみなさま方のお力をお借りして予約を募ることになりました。タイトルや発売予定日、価格は現段階では未定ですが、2,000円(税別)程度の本になろうかと思われます。予約申込期限は設けていません。予約部数が500部に達した時点で編集作業がスタートし、初版残部は出版社・書店の一般ルートで販売されることになります。
このような事情から、みなさまにはこの本に関心をお持ちいただける、1人でも多くの知人・友人にお声をかけていただきたく、切にお願いする次第です。本メールは関心のありそうな方に自由にご転送いただいて結構です。あわせて、本書出版の際に新聞・雑誌・ホームページ等のメディアでとりあげてくださる方をご存じでしたら事務局までご紹介ください。また、タトパニやポカラでのスルジェさんの写っている写真で本書に使えそうなものをお持ちの方は平尾さんまでご連絡いただければ幸いです。
この本が1日も早く出版できますよう、みなさまのご協力をお願い申しあげます。
2000年11月
●平尾和雄さんの新著刊行を支援する会
<代表世話人(50音順)>
東豊久・大屋建・中田一生・松原隆一郎・山口千鶴子
<発起人(50音順)>
青木礼子・有賀正博・石田充弘・大塚道雄・大屋美那・神谷恵子・神谷夏実・神田孝・栗原行廣・作田博明・佐藤文子・佐藤嘉洋・白鳥孝・杉田晴美・住山恒子・十川正一・武田誠・田村雅幸・辻みさと・辻本ケイ・中村哲子・沼口知子・樋口英夫・平尾進三・平尾宏・増渕純子・松見正子・安田恭子
●著者からのごあいさつ
スルジェが死んだとき、追悼文集を作ろうという声があがりました。しかしきれい事を書き連ねて内々で懐かしむより、わたし自身の手で広く一般読者に迎えられるものを書くべきだという意見が出て、追悼文集の話は立ち消えになりました。
部屋にこもって文をつづりながら、わたしはスルジェの鎮魂のために書いているつもりでいましたが、やがてスルジェのお陰で書かせてもらっていることに気づきました。書き進めるうちに、スルジェとの20数年は、まわりの人々の世話や助けでかろうじて成り立っていたきわどい日々の連続だったことに、自分ながら驚かされました。
見ず知らずの人を含むたくさんの人たちの助けによって、この本ができていくのだとしたら、それはスルジェによってわたしが書かされたスルジェの物語にふさわしいことのように思われます。
- 平尾 和雄
●問合せ
支援する会事務局
大屋 建 E-mail: GCG01066@nifty.ne.jp
(平尾 和雄 E-mail: surje@joy.hi-ho.ne.jp)
●予約申し込みについて
予約申込先
『旅行人』蔵前仁一 〒176-0011 東京都練馬区豊玉上2-25-9 但馬ビル5F
Fax: 03-3557-6880
E-mail: sales@ryokojin.co.jp
http://www.ryokojin.co.jp/
お申し込みはFax/E-mail/郵送のいずれかで『旅行人』までお願いいたします。その際、申し込みされる方のお名前(ふりがな)、ご住所、電話番号、Fax番号、 E-mailアドレス、予約部数および受け取り方法(郵送もしくは手渡し――手渡し希望の場合はどなたから受け取りを希望されるかも明記のこと)を必ずご明記ください。また、『旅行人』のホームページから予約もできます。この場合、本のお届けは郵送となります。
本の受け取り方法は次のどちらかをご選択いただきます。
郵送
- 出版社から本と郵便振替用紙を郵送いたしますので、到着後代金をお支払いください。本の送料は出版社負担となります。
- 手渡し
- 著者もしくは世話人/発起人よりお渡しいたしますので、どなたから受け取りを希望されるかご指定ください。代金は本と引き替えにお支払いください。
本のタイトル、発行予定日、価格は決定次第お知らせいたします。
不明な点がございましたら「支援する会事務局 大屋」までお問い合わせください。よろしくお願いいたします。