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●地平線通信223より
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庄司康治 |
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◆17歳の頃に出逢った1枚の写真が、庄司康治さんをザンスカールへと導いた。写真との出逢いから3年後、一緒に訪ねようと約束した亡き友人の想いと共に、チベット高原の西端、ザンスカール地方への道は開いていく。
◆1980年、初めてヒマラヤを旅するなか、村とレーの町を結ぶ「氷の回廊」の厳しい旅の途上で出逢い、14年の歳月を経て再会したロブサン父さんは、12歳の三男タムチョス君を「氷の回廊」の旅に連れていくことを、庄司さんに打ち明ける。タムチョス君にとって、初めて出る外の世界。大人の仲間入りのための命懸けの旅が始まった。
◆出発の時、喜びと期待、不安と恐れの入り交じった感情が、彼の心を吹き抜けたときの、それまでの笑顔が、ワーッという泣き顔になったあの瞬間に、うまく表現し得ない、心がざわめくような感覚になった。あのとき、タムチョス君を身近な存在に感じると同時に、新たな世界の遙か遠くを見つめる神々しさみたいなものが、彼の姿にあった。
◆村と街をつなぎ、希望へとつながるザンスカール川の道は完全凍結せず、ときにガラスのように割れ、またずぶずぶと足を捕らえる。タムチョス君を真ん中に、様々な氷の表面を進む一行の様子は、冷酷にも見える自然条件のなかで生きる人々の張りつめたやさしさを垣間見せてくれる。シンプルな生活の深い家族の絆、あからさまなやらせとかの次元じゃない。
◆「出逢い」って一瞬で、些細であっても、心が震えるような、そして人をつき動かしていく大きな原動力がある。「世界初とか前人未踏ということには意味がない、そこを生活の場として生きている人がいる」という庄司さんの出逢いには、そういう力強さがあると思う。タムチョス君のさらに凛々しい姿を続編で見たいと切に思う人は、私だけじゃないはずだ。[横田明子]
この庄司さんの体験が昨年12月、『氷の回廊――ヒマラヤの星降る村の物語』(文英堂・1800円)として出版されました。テレビ番組とは違った視点から、ロブサン一家の日常やタムチョス君の旅が丹念に描かれています。カラーページもたくさんあって、美しく、迫力ある写真にシビレます。地球上にまだこんな人間らしい暮らがあるんだとだれもが思わずうれしくなってしまう、心温まる本。子どもたちにもぜひ読んでもらいたいですね。
●地平線HARAPPAのログより
01656/01656 山上"よんきち"修 ご無沙汰しております...
( 1) 99/03/29 16:08
みなさん、ご無沙汰しております、山上です。
先週末の地平線報告会に、すごく久しぶりにお邪魔しました。とはいえ、最初からは結局無理で、19時すぎからでした。
(略)
報告会は素晴らしい奥行きのあるスライドと、早回しでしたがNHKスペシャルのビデオでの報告でしたが、NHKスペシャルは見逃していたので、あらためてじっくりみてみたくなりました。
同時にテレビのドキュメンタリーをプロデュース及び製作する側の話は、興味深かったです。NHKエンタープライズ21が入っているビルに私の勤務する会社が入っていた事がった、というのはどうでもいいのですが(^_^;)、昔から好きな番組です。
例のムスタンのヤラセからくる影響なども依然根強いものがあるんだなぁとも思わされました。
(略)
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