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1999年5月
1979年9月の第1回から数えて、今回が通算235回目の
地平線報告会となります。
報告者は、フリージャーナリストの峠隆一さん。もともとはサハラやオーストラリアの沙漠を走った経験をもつバイク乗りですが、その後NGOの一員として、ソマリアの難民キャンプでのボランティアやオーストラリアでの植林活動に参加。さらにオーストラリアのナラボー平原を徒歩で横断したりと、多彩な経験をもっている人です。
1989年にふとしたきっかけでボルネオに出かけた峠さんは、サラワクの熱帯林に住む先住民たちの暮らしぶりにすっかり惚れ込んでしまい、以後5年間かよいつめ、94年には『9つの森の教え』(築地書館)という、深い味わいのある本を出しました。
今月の地平線報告会は、5年ぶりの“帰省”から帰ったばかりの峠さんに、森に暮らす人々との10年にわたるつきあいをとおして、彼がなにを発見し、学んできたのかを語ってもらおうと思います。
以下は、地平線通信234号に掲載された案内です(絵と文・長野亮之介)。
コレ、森に帰る
この3月、コレは5年ぶりに、ウマバワン村(マレーシア・サラワク州)の義父と再会しました。「コレ」は日本人ジャーナリスト、峠隆一さん(40)のカヤン語名です。
10年前、はじめて村を訪れた峠さんは、村の老人、マリアン=サギン氏と養子縁組をし、豹を意味するカヤン名を与えられました。峠さんの惚れこんだ村の生活は、ロングハウスという長屋での共同生活が基本です。子育ても、老人介護も、障害者の世話も、すべて村人が皆で行います。「お金はないけど、ストレスもない」村に、コレは5年間で14回も通いました。
ところが、94年秋、峠さんは、身に全く覚えのない理由で不当に逮捕・拘留され、強制送還されてしまいます。以来、片時も村のことを忘れず、再訪のチャンスを待っていた峠さんは、この春、再びコレとなって森に帰ることができました。
今月は峠さんに、この第二の故郷の話をして頂きます。サラワクの森の生活について。そして94年の事件の背景にある熱帯雨林伐採問題と、先住民の反対運動の現状などについての報告です。乞御期待!
☆会 場:アジア会館(東京都港区赤坂8-10-32/03-3402-6111)
☆時 間:午後6時半〜9時
☆会場費:500円
地平線報告会は、どなたでも参加していただけるオープンな場です。
テレビをはじめとする二次的な情報では決して味わえない、
世界を旅してきた報告者の「生の声」を直接聞くために、
毎月第4週の火曜か金曜に、東京の南青山にある
アジア会館(地平線銀座線・半蔵門線・青山一丁目下車)で開催されています。
どうぞ気軽に参加してみてください。
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