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↓地平線カレンダー1997 part 2より
【今月の地平線報告会】
97年4月
1979年の第1回から数えて、今回が通算209回目の
地平線報告会となります。
今月の地平線報告会は、25日の金曜日に開催します。報告者は、ネパールの“秘境”ムスタンで2年近く生活して、このほど帰国されたばかりの西尾暁子(きょうこ)さん。NGOのスタッフとして米づくりを担当しながら、チベットの影響を強く受けた伝統文化をじっくりと見てきたそうです。現代の学生として、また若い女性として、西尾さんがいったい何を感じてきたのか、そのあたりを詳しく聞かせていただきたいと思います。
「山に魅かれたせいもあるけど、未知の人々、未知の文化に触れられることと、馬が主な交通手段だと聞いたのが魅力的でした」。ネパール・ムスタン地域に長期滞在した動機をこう話すのは、日大農獣医学部4年生の西尾暁子(きょうこ)さん。
西尾さんは、95年4月〜97年2月、日本のNGO「ムスタン地域協力開発会(MDSA)」の現地スタッフとして、世界最高所での米作りに挑戦してきました。活動の起点ジョムソンは、長らく外国から「秘境」と呼ばれていたローマンタン(91年秋開放)への入口に当たる、標高2800mの町です。
ネパールの中央部北端に位置し、人種・文化・歴史ともにチベットと縁の深いムスタンでは、デロ(ソバ掻き)、ツァンパ(ムギ焦がし)の他、ポカラから輸送してくる米が主食。川原に開田した約10aの田で、西尾さんは試行錯誤しながら新潟や北海道の稲を育てました。残念乍ら、2年とも穂はついたのに、米が稔りませんでしたが、貴重な実験結果は西尾さんの卒業論文として残ります。
今月は西尾さんをお招きし、ムスタンでの23ヶ月の見聞録を話して頂きます。乞御期待。(地平線通信209号の案内分より)
地平線報告会は、どなたでも参加していただけるオープンな場です。
テレビをはじめとする二次的な情報では決して味わえない、
世界を旅してきた報告者の「生の声」を直接聞くために、
毎月第4週の火曜か金曜に、東京の南青山にある
アジア会館(地平線銀座線・半蔵門線・青山一丁目下車)で開催されています。
どうぞ気軽に参加してみてください。
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