4月の地平線報告会



 ■ヒマラヤの宇宙

『そうだ、剣の道…剣道という言葉があるように、登山で自己を追求する道…登山道という言葉があってもいいんじゃないか。そして僕は登山道をとことん追求していきたい。まぐれや偶然で登るんじなく、どんな条件であっても頂上に立てる、本当の力を習得したいなあ』。

89年のヒマラヤ・ブロードピーク遠征の手記に、登山家の戸高雅史さん(34)はこう書いています。以来毎年ヒマラヤの山々に「がむしゃらに」挑み続けてきた戸高さんですが、山に対する考え方は2年ほど前から変化してきました。その心境を、「今、僕にとってヒマラヤは宇宙を意識する場所ですね」と表現してくれました。戸高さんと大自然が「調和」した時の喜びを感じるための「場」なのです。

極限の地で、自分の内宇宙と向きあうことで形づくられてきた「登山道」の一段階なのかもしれません。94年12月からはそんな考えのもとに、野外学校FOS (feel our soul)を主宰し、後輩の始動にもあたっています。今年5月からは、 K2に単独アタックの予定。

今月の報告会では、「もしかするとK2は、今までの山登りの区切りになるような気もしているんです」と言う戸高さんをお招きします。意識の変化に大きな影響を与えた、95年夏のブロードピーク縦走・カンチェンジュンガ遠征を中心に、山への思いを語っていただきます。(地平線通信198より転載/取材・文:長野亮之介)



地平線報告会は、どなたでも参加していただけるオープンな場です。
テレビをはじめとする二次的な情報では決して味わえない、
世界を旅してきた報告者の生の声を聞くために、
毎月第4週の火曜か金曜に、東京の南青山にある
アジア会館(地平線銀座線・半蔵門線・青山一丁目下車)で開催されています。
どうぞ気軽に参加してみてください。

 ☆会 場アジア会館(東京都港区赤坂8-10-32/03-3402-6111)
 ☆時 間:午後6時半〜9時
 ☆会場費:500円



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