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●地平線通信に掲載された感想
地平線通信194より
メコン川下りと四川省のバミューダトライアングル
/早稲田大学探検部
1995.12.18/アジア会館
今回はトライアングル二本立て。まずは中国四川省峨辺彜(オービャンイ)族自治県は馬鞍山黒竹ゴウ(マーアンサンヘイチュウゴウ)の沢登りから。
昨年に続き2度目の挑戦でこの地に赴いた彼らは、偶然出会った北京大学生のルー君から不思議な話を聞かされる。このヘイチュウゴウは、入って生還したものがおらず、解放後だけでも30人以上が失踪している魔の沢だという。これは登るしかないと、ルー君を含めた6人は、上流にある謎の地石門関を目指した。遺書を残して出発した彼らは、激流を渡り、藪をこぎ、4日目に異様な光景に出会うこととなる。巨岩に祭壇が設けられ、赤いペンキで古い彜語が大書きされているのだ。端には漢語で『漢人、彜人はここから進入禁止』。一体誰が何のために?
彼らの推理では、上流に住んでいる別の彜族によるもので、むやみに進入されるのを拒んで、調査隊らの殺害に及んだのではないかということだ。命懸けで見つけた文字。彼らは今でも解読中だ。
次はメコン河下り。カナディアンタイプのファルトボート3艇に分乗した6人は、中国・ビルマ・ラオスの3国国境が接する地点を出発。前半はいくつかの瀬で怖い思いをし、情報の少なさを反省したという。陸路を伝いラオスに出て、河下り再開。思いのほか楽に目的地のビルマ・タイ・ラオスの3国国境まで下ることができた。
驚いたのは、沿岸にはほとんど人家はないと聞いていたのに、どこでも人が生活していたこと。そして河の開発のため、大がかりな工事が進められていることだった。天気は毎日ピーカン。川の流れは穏やかで、ほとんどボートを漕ぐこともなく、流れにまかせて下ったため「これって冒険?」という内部の声も。
若い彼らが探検、冒険の意味を考える、貴重な2つの体験だった。【北沢千恵子】
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