今月の地平線報告会 |
1979年9月の第1回から数えて、今回が通算484回目の地平線報告会となります。
8月の地平線報告会は、23日の金曜日、開始時刻は午後6時30分からです。今月の報告者は、山岳写真家の三宅修さん。現在、87歳のご高齢ですが、今回、地平線の皆さんに語り残したい、と報告者を引き受けてくれました。
山は裏切らない
「山を見ると、あの日の阿鼻叫喚の惨状を思い出して、はじめはイヤだったんですけどね…」と言うのは山岳写真家の三宅修さん(87)。敗戦直前の8月5日、学徒動員で働かされていた東京八王子市でのこと。山に囲まれた高尾の鉄道線路上で、一般旅客列車が米軍のP51ムスタングに空襲銃撃された大事件の現場に遭遇しました。 当時三宅さんは13才。バリバリの軍国少年で、日本が負けるなんて全く想定外でした。敗戦後、世の中は価値観がひっくり返り、三宅少年の心には人や社会への不信感が澱のように溜まります。 東京外大のシャム語科に進んだ三宅さんは友人に誘われて山岳部立ち上げに参加することに。最初の合宿で谷川岳のマチガ沢を登り、雄大な風景を見ていた時“あの日”のトラウマがすーっと溶けていくような気持ちになりました。「ヤシの実の殻が壊れるような感じ」でした。 それ以来山にのめり込みます。思いを記録する手段として写真を撮りはじめました。「山で生きていきたい」という思いに取りつかれた三宅さんはいくつかの職を経たあと、知遇を得た詩人・哲学者の串田孫一氏に誘われ、山岳文芸誌「アルプ」創刊に関わり編集長を務め、やがて山岳カメラマンとして独立します。 作品の構図には人や人工物を一切写しこまず、山だけを撮るという方針を貫き、今も現役で山に通う三宅さん。地平線会議が発足して40年が経つこの8月、三宅さんに戦争と山と写真家人生について語って頂きます。必見必聴! |
新宿スポーツセンター〒169-0072 高田馬場駅のビッグボックスの脇の道を直進し、突き当たりを左折、スーパーマルエツで右に入ると戸山公園があります。そのなかの大きな建物の2階の会議室です。駅から10分弱(約850m)。 |
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地平線報告会は、どなたでも参加していただけるオープンな場です。テレビをはじめとする二次的な情報では決して味わえな い、世界を旅してきた報告者の「生の声」を直接聞くために、1979年9月から毎月欠かさず開催されています。どうぞ気軽に参加してみてください。
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