今月の地平線報告会


2000年12月22日(金)

1979年9月の第1回から数えて、今回が通算254回目の
地平線報告会となります。



今月の地平線報告会は、22日(金曜日)。報告者は、スコッチウィスキー評論家として知られる土屋守さんです。

土屋さんは、学習院大学探検部時代、ちょうど地平線会議が発足したころにインド北部のラダック地方に通い続け、ザンスカール山脈を中心にとてもいい旅を重ねてきました。藤原新也さんとの出会いから、創刊時の『FOCUS』に参加することに。その後、チベット探検の本場に行こうと『FOCUS』を辞め、イギリスに渡ります。ところがそこで出会ったのが、イギリスのカントリーライフ(田園生活)とスコッチウィスキーとフィッシングでした。

じつは土屋さんは、この9月に20年ぶりにラダックを訪れようとしましたが、印パの国境紛争のおかげでビザが降りず、くやしい思いをしています。以下の地平線通信の案内では、「スコッチの魅力をたっぷり語っていただきます」となっていますが、今回の報告会ではウィスキーだけでなく、なぜイギリスへ行こうと思い立ったのかをはじめ、長期にわたったイギリス滞在など、ラダック以後のこの20年の足跡をすべて語っていただこうと考えています。

21世紀まで続けようを合言葉に、1979年9月にスタートした地平線報告会。20世紀最後の集いを土屋さんの20年の旅の総括でくくってもらえて、とてもうれしく思います。


スコッチの民俗学

「スコッチを知れば、スコットランドの風土が見えてくる。イギリスという国も、ケルト文化も浮かびあがる。ひいてはヨーロッパ文明がわかってくる。スコッチは、僕のフィールドワークの道具なんだ」というのは、土屋守さん(45)。スコッチウィスキーの研究では世界屈指のジャーナリスト。

学習院大学探検部時代はザンスカールをフィールドにしていた土屋さんは、地平線第7回報告者でもあります。87年、33歳で、絶好調期の『フォーカス』誌記者の地位を捨て、新天地を求めて渡英。ロンドンで情報誌の編集長をしていた時に、取材対象としてスコッチと出会います。

意外にもロンドンのパブでは、ほとんどウィスキーが飲まれていません。本場スコットランドではじめて知ったシングルモルトウィスキーの味は、土屋さんの知的好奇心を直撃しました。「スコッチは、職人の技+環境から生まれる酒。自然環境のバロメーターといってもいい」と土屋さん。

今世紀最後の地平線は、土屋さんにスコッチの魅力をたっぷり語っていただきます。なんとシングルモルト3種のテイスティング講座あり。乞御期待!


 ☆会 場アジア会館(東京都港区赤坂8-10-32/03-3402-6111)
 ☆時 間:午後6時半〜9時
 ☆会場費:500円

地平線報告会は、どなたでも参加していただけるオープンな場です。
テレビをはじめとする二次的な情報では決して味わえない、
世界を旅してきた報告者の「生の声」を直接聞くために、
1979年9月から毎月欠かさず、第4週の火曜か金曜に、東京の南青山にある
アジア会館(地平線銀座線・半蔵門線・青山一丁目下車)で開催されています。
どうぞ気軽に参加してみてください。



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